コノ塾という塾をご存知でしょうか。学習塾版のユニクロを目指すコノ塾は、高い質の教育サービスを手頃な価格で受けられることを売りにしており都内で既に50教室あるそうです。最先端のデジタルツールを活用し、苦手な部分を可視化し、理解が足りていない問題を具体的に抽出するなど、手厚いコーチングをしているとアナウンスされています。

どの塾にも一長一短があり、全てパーフェクトということはあり得ません。従って子どもや親が自分で考え判断する必要があることは、これまでも繰り返し説明してきました。当たり前ですが、外から見たり聞いたり調べたりしているだけではわからないので、やはり一度入塾してみて自分に合うか否かを判断する必要があります。そしてもっと大事なのは、決して受け身一辺倒で「サービスを受ける」のでなく、能動的にサービスを活用し「使いこなす」という感覚を知ることだと私は思います。何故ならどんなサービスにも必ず一長一短はあるのですから「短」の部分は自分でリカバーするしかないのです。なのに「短」の部分だけに目を向け、不平不満を述べるだけで工夫も何もしないというのでは、結局どこの塾に行ってもうまくいかないでしょう。それは志望校選びや就職する会社選びにおいても全く同じです。結局は自分が選んだ選択を自分で良くしていくしかありません。最初から「唯一の正解」はないのです。

動画内でインタビューを受けていた女子生徒ですが、お気づきになりましたか。彼女は自分からどんどん聞いていくタイプではなさそうです。そういう子は教室型の塾よりこのような個別型の方が良いでしょう。教室型だとどうしても発言力のある生徒に講師の注意は奪われがちです。自分からグイグイいかないと「参加していない者」とみなされてしまう。こういうところは親がよく見て選択の際に考慮する必要があります。

精神科医の大先輩で、子どもと面接することでその子の性質や行動特性を見抜き、塾選びや勉強方法を提案するサービスを行なっている先生がいますが、今後こういうサービスのニーズは増えると思います。完全にスキマだからです。この部分を担っている専門家がとても少ない。サービスや選択肢はいろいろあるのに、選べない親がものすごくたくさんいるので、そういう親に水先案内をする人ですね。そういう専門家に習って、親子で「選ぶマインド」を勉強するのも中学受験の醍醐味ではないでしょうか。人生において「選ぶ」は極めて大事ですから。