中学受験の子どもの息抜きやご褒美の与え方についての佐藤ママの見解です。同じことを小林尚先生や安浪京子先生も言っています。結論を述べると、

ご褒美、要りません。息抜きも必要ありません。受験生が勉強するのは当たり前なので。モチベーションとかも、どうでもいい。淡々とやる、問題を解くだけ。
精神的な問題を整えてから問題をやろうというのは無理なんですよ、

いかがでしょうか。うん、納得!と清々しい気持ちになれたでしょうか。ここで「腑に落ちる」感覚になれるかなれないかで子どもに対する対応はだいぶ違います。私自身学生時代を振り返ってみても、勉強をやる気満々でやっていた記憶がありません。前向きでもありません。もちろんイヤイヤでもありません。しかし誰かに促されるのではなく自分からやっていました。でもメンタリティは「淡々と」です。なので佐藤ママの「淡々と」には自身の経験からも共感できます。

この「淡々と」を子どもに会得させるには勉強より体を動かす方が容易です。我が家では、息子たちに掃除担当場所を選ばせ、やってもらっていました。「だってみんなの家だからね、皆でやるのは当たり前でしょ?ボロボロになって住めなくなったら困るよね」というふうに。もちろんその年齢の子どもですから、遊ぶのに夢中で言い訳をしたり「やりたくない」と言ってゴネることも多々ありましたが、そういう時、夫は、

ぐちゃぐちゃ言うとらんと、やれや!

と一喝していました。ビシッと一喝1秒。この1秒で息子たちは動きました。1秒で動くことができる、そういう段階に心の成長が達していたのだと思います。佐藤ママが「やるべきことなんだからやってね、やるのは当たり前だよね」と言っていたのが、夫の場合(口が悪いので)こういう言い方になっただけです。逆に、ぐちゃぐちゃ言っとらんと、やれや!と言われ、それでもグズったり泣いたりするうちは、まだそういう段階ではないということです。もう少し成長を待つ必要があるのかもしれません。一方、そのように言われパッと行動に移せるということは、掃除に限らず色んな場面で、自分でやると決めたことをやるメンタリティが育ち始めていると思います。その時の息子たちも、やるべきことだから淡々とやる、という感じでした。勉強も同じことです。

やるべきことを淡々とやる、を教え込むのは4歳頃から小学校低学年くらいまでです。親の言うことを素直に聞き入れ、これはやるべきことだからやるんだ、という脳システムが育まれる時期です。この時期を逃すと、後になって身につけさせようとしても難しい。子どもの教育やしつけには「至適時期」というものがあることを親は心得ておく必要があるという話です。