「仕事と子育ての両立は難しい」と言う人がいます。本当にそうでしょうか。古い価値観を盲信しているだけではないでしょうか。何でもそうですが「難しい」と決めてかかることで良いことは何もありません。それならそれで上手くやればいい。研修医時代、松下先生には色々なことを教わりましたが、

「難しい」と口にするのはやめなさい

と指導されたことを心から感謝しています。以来私は仕事でも子育てでも「難しい」を口にするのをやめました。最初のうちは思わず「難しい」と言ってしまうことがありましたが気をつけているうちだんだん減り、半年もしないうちに言わなくなりました。「難しい」と言うかわりに「どうすれば上手くやれるか」と言うようにしたのです。脳の「しつけ」ですね。

氾濫する子育て情報に翻弄され「あれもやらなきゃこれもやらなきゃ」状態になると焦りを感じ、困難感を覚え、工夫できなくなり、結果どれも中途半端となり、自己否定や罪悪感を感じる人がとても多い。朝の「シンプルを極める」にあるように「手放す」は大事です。子育て情報のうち10やれる人もいれば5の人もいる。人それぞれです。「皆が10やっているのに私は5しかできない」と思うから焦ってしまうのです。5でいいじゃないですか。自分の置かれた状況でやれることをやればいいのです。他人は関係ありません。厳選した少ないものを丁寧に。「私は5でいい」と言い切れる脳を育みましょう。そう難しいことではありません。他人との比較脳を手放すだけです。

幼少の子どもの子育てで親がしなければならないことはそう多くありません。「とにかく話を聞く」「子どもに喋らせる」「話してくれたことを喜びそれを表現する」「触れ合う」が基本です。小難しい幼児教育メソッドはそれらをちゃんと行なっていることが前提です。基本を怠りいくらメソッドに走っても大した効果は得られません。そして「メソッドに走る」怖さは、1つに止まらなくなることです。1つをやっている間に、「あれも良さそう、これも良さそう」状態となり、1つ目を丁寧にやることを忘れ、どんどん手を出してしまうのが怖いのです。