「もしも幸せになるためにモノを多く持っていたら、まさにそれとは全く逆のことが起きます」

物質および精神面の様々なレベルで荷をおろし、身軽になってくると自分の存在に新たなルール、新たな構造、素晴らしい内面的な整合性、軽快さが備わってきます。これは精神を平凡で野卑な物事から解放します。無意味な読書、儀礼的な付き合い、誇示的消費、無意味な活動といった余分なモノや行為を処分し整理することがもたらす形容し難い感動は、実際に行ってみないと理解できないものです。捨てた後はひとつひとつのモノ、活動が自動的にそれぞれの意味合いを持つようになります。そしてこの生き方が明確になってくるに従い、新たな「切り捨て」もさほど痛みを伴わずに出来るようになります。捨てれば捨てるほど、ますます思考が明晰になってきます。捨て去った昔の持ち物が必ずしも私たちを幸せにしていなかったことを発見し、常により多くを求めていく慢性的な欲求不満がいかに私たちの精神と心の安らぎを妨げでいたかにも気がつきます。そして自分の持ち物は衣食住に必要不可欠なもの、心と身体の健康を除いて何もないと悟った時に晴れてこの開放感という幸福を手にするのです。「捨てる」目的は、満足感または楽しみではありません。ただより身軽で平穏、そして優雅な生活を約束します。