wakatte.TVです。学歴ネタでここまでやれるって、東大生の親の子育てよりむしろこっちの方が「すごい」と思いますよ。受験生の親御さんも結構見ているようで、中には「励まされた」という人もいました。ともすれば深刻で悲壮になりがちな受験ネタをこういう「切り口」でエンタメ化する脳みそは子どもに育ませたいものです。私は密かに今後の経済社会のキーワードのひとつがエンタメになると考えています。

動画の冒頭で「東大生の子育て術」という表現が使われていますが、こういう言い方をされると何か特別な方法があるように思われがちですが、佐藤ママも含め、特別なものは滅多にありません。むしろ教科書に書いてあることを忠実に行なっている印象です。例えば最初の女子学生の母親は、ピアノ、書道、登山、チア、スイミングをほぼ毎日やらせたと笑顔で言い「どういう思いで習い事をさせたのですか?」という質問に「どんな世界があるか分かって欲しかった」と述べています。こういうことです。ともすると「ピアノは指の動かすことで脳の訓練になる」みたいな理由を述べがちですが、彼女の視野はもっと広く「いろいろな世界を子どもに見せたい」と述べている。こういうのが価値観を形成するので、彼女は子どもに対し、そのような姿勢で関わり続けたに違いないと予想されます。そして思春期の反抗期に対する対応について「私はぶつかるのが嫌なので登山に走りました」と述べています。「私はぶつかるのが嫌なので」というのは彼女の人間関係における基本姿勢でしょうし、この局面で「自分のやりたいこと興味のあることに走った」というのは「親は親で自分の人生を生きる方向に動いた」ということ、つまり「姿勢や価値観を示した」のです。全部教科書に書いてあることですね。彼らがそういう本を読んだ読まないはさておき、オーソドックスなことを外さずやっていたという話です。

2人目の母親は「子どもが興味を持ったことは邪魔しない」、3人の目の父親は「干渉しない」「担任の先生との面談も黙って聞いてました」「子どもには自分のやりたいことを見つけてもらい、そこに向かって突き進んでもらえればと思っています」と述べています。あえて言うなら、こういう「当たり前のこと」を取りこぼさず当たり前にやるというのが「東大生の親の子育て術」なのではないでしょうか。「邪魔しない」「干渉しない」「黙って聞く」が「できない」親が多い中で、不安に翻弄されずちゃんと自制したということですね。そして「子どもに将来どうなってほしいか?」という質問に「大企業に勤め親を安心させてほしい」などと述べることはありませんでした。良かったです。

私見ですが、東大レベルで成績の良い子どもの親というのは、穏やかな人が多いという印象を受けます。余計なことを喋らず聞かれたことだけに答えるというような。私も息子たちに対しては「多くを言わない」を心がけました。とかく親は子どもに多く言いがちですが、これは子どもの成長発達にあまりよろしくないと私は考えていました。なので言いたいことが10あったら3くらいに止めるで良いのではないでしょうか。あくまで私見ですが。