ちゃんと自分の関心とか興味を掴み取れて言語化できて精緻に語れる、そこがやれれば幸せになれるじゃないですか簡単に。そこが曖昧で与えられた枠組みを信じているからグッダグダになって、40歳になって「おれの人生何だったのかな」って言い出すわけで、、

堀江貴文氏と高濱先生の対談です。高濱先生めちゃくちゃ飲んでるのにおっしゃってることはシラフの時と同じで筋が通ってます。飲んでいる分、歯に衣着せず状態になっていますが。動画のテーマは「本当の頭の良さ」を勘違いしている親が多いということ。問題は一体全体何故これほどまでに勘違いが横行しているかということです。

(勘違いしている親の子どもは)本当に自分がやりたいことではなく、親が信じている枠組みの良いところに行こうとするわけ、それって20年経ったらむしろ危ない、だって我々の頃「銀行銀行」って言ってたじゃないですか、でも今首切りの嵐でしょ?自分の興味や関心で集中して生きていける人を育てる仕組みで、親っていうのは最大関数なんです。

この時代に奇しくも精神科医という仕事をしていると「世の中やばいことになってるな」というのがはっきりわかります。堀江氏や高濱氏が酒をかっくらいながら対談したくなる気持ちもわかりますよ。悲惨ですから。もうめちゃくちゃ。私は今飲んでないですけどね。勘違いしている親の子どもが精神科に連日わんさか押し寄せてるわけです。「会社に行きたくない」「会社を辞めたい」「やりたいことがわからない」「どう生きたら良いかわからない」「どうすればいいんですか」のパレードです。その質問、精神科ですることですか?と思うのですが、具合が悪くなっているから精神科だと勘違いされちゃってるんですよ。「苦しい」「不快」は全部病気だと思っている。これも「やばい」ですね。病気扱いされ薬を処方され、事態がどんどん複雑怪奇になり収拾がつかなくなるんですから。

教育的にも精神科的にも不味いのは、子どもが「本当に自分がやりたいことではなく親が信じている枠組みの良いところに行こうとしている」ことです。勘違いしている親の言うことなんか聞いてる場合じゃないんですよ、精神科に来て薬処方されちゃってるんですから。彼らが正しいと信じていること(信じ込まされていること)と現実は違うんです。だから適応障害が起きている。この適応障害は医学的な適応障害よりはるかに深刻です。だから簡単に治らないしどんどん拗れていく。社会復帰できずにずっと家の中で悶々とする生活になってしまっているんです。行動できなくなってるんですよ、他人と自分を比較し、唯一の正解ばかり探しているから。唯一の正解はないんですから、どれだけ探しても見つからないのは当たり前。なのにその「唯一の正解」をネットで探しちゃってますからね、具合が悪くなるのは当然です。冒頭に書いた「ちゃんと自分の関心や興味を掴み取り言語化し精緻に語る」ができないまま大人になっちゃったから具合が悪くなるし、ずっと具合が悪いままなのです。(続く)