IQは将来の年収や幸福度には影響ない。肝心なのは非認知能力です。それは社会性、自分勝手な感情をコントロールする力、そして3つ目が実行機能です。つまり挑戦する、実際に取りかかるということ。そういう子にするために必要なものは、幼児期から小学校低学年までの遊びや生活がどういうものであったがで高さが決まる。

内田先生がこのように述べている時に、佐藤ママは「そうですよね」と大きく頷いておられました。私もそのように思います。「遊ぶ」というのは非常に大事です。中でも大事なのが体力だと私は考えています。多くの経営者や学者が言うように、結局全ての基盤は体力です。体力がある人は精神不調になりにくい。物事の考え方もシンプルで、だから実行が早いのです。
昨日、夫が自分の会社の今年度の新入社員(全員ラグビー部)を自宅に連れてきてどんちゃん騒ぎをしていましたが、皆、とても高揚しやる気に満ち溢れていました。そしてひまわりみたいな笑顔で「頑張ります!期待に応えます!!」と宣言していたのです。「研修で折れた、疲れた、辞めたい」などと言っている子は一人もいませんでした。夫と同じポジションの一番体の大きい子が「研修中、自分が新入社員全員を仕切り励ましたりして、最後に新入社員代表の挨拶をしました」と言ったので、「えーそれやってくれない?見たい!」と言ったら、「やりますか」と笑顔で言い、すっと立ち上がり胸を張って、長い挨拶のセリフをキビキビした口調でひとつも噛んだり詰まったりせず言い切ったのです。「すごい!!!」私は両手を叩いて大絶賛しました。「いい子だなあ、可愛いなあ」と心底思いましたよ。隣で夫も満足そうでしたが、その時思ったのは、「やっぱりこういう子が上司から可愛がられ、上に上がっていくのだなあ」ということです。

宴会の場で私は彼からいろいろな話を聞かせてもらいました。そして「やっぱりね」というセリフをいくつも言ったのです。
皆が嫌がることこそ、自分は率先してやりますね。真っ先に手を挙げます。だって気持ちがいいじゃないですか。
皆が「恥ずかしい」とか「失敗したらどうしよう」と言って怖気付いている時に、彼は「気持ちいいから率先してやる」と言っている。これが非認知能力です。

自分は勉強は、、本当にできないです。入社試験も面接で通ったと思ってます。大学も卒業できないんじゃないかって成績発表までビクビクしてました。でもこうして会社に入って(「入れて頂いて」とは言っていない)、東大とか慶應のやつもいますけど、負ける気がしません。しかもこんな大先輩に良くして貰えて、これで頑張らなかったら男じゃないですよ。

尊敬する人は、やっぱり父親、それから高校大学の監督です。父親は生活を教えてくれました。毎朝めっちゃ早いんですよ。6時には絶対起きてます。よくドライブに連れてってくれて、だから自分が好きな歌のほとんどはミスチルとかサザンとか、父親が車の中で流してた曲ばっかです。この会社を選んだのは、最初に声をかけてくれたからです。正直、一番行きたいと思ってた会社は他にありました。でも、迷わなかったです。一番先に声をかけてくれた会社が自分を一番買ってくれてる会社だと思ったんで。第一志望は縁がなかったと断りました。どのみち行った先で頑張るのが大事だと思ってるんで。

いかがでしょうか。この潔さ。頭の中が非常に整理されている。私が放つ「面倒くさい質問」に実にキビキビ即答していました(お酒が入っているのに)。答えに「悩む」ということがないのです。尊敬していることについても、ただ「尊敬している」だけでなく、具体的に「これこれこういうことを教えてくれ役に立ったから尊敬している」と答えている。選択についての自分なりの基準も持っており、かつ人生で最も大事なこと「自分が選んだ選択をより良くするために頑張る」を知っている。学校の成績が悪かろうが、これほどの子を欲しがらない会社はないと思います。自己紹介の冒頭で、学校の勉強ができないことを宣言しつつ、しかし全く卑屈じゃなく、自己否定もしておらず、厳しい社会においても自分の未来は明るいと信じている。非認知能力というのはこのようなこと全部をひっくるめた総体なのです。