自分の具合が悪くなっている原因を自分以外の他者に求めてしまうと被害者意識ばかりが募り、問題解決思考を働かせることができません。それでは具合は悪いままです。原因を自分以外の他者でなく、自分自身の考え方や行動様式、生活ぶり(つまりライフスタイル)にあると自覚するのです。

具合の悪かった時と同じ考え方や行動様式をそのままにして、良くなることはありません。良くなるためには、不都合な考え方や行動様式をきっぱり止めねばならないのです。

例えば漫然とスマホを触り続ける生活。これは受験生でなくても好ましくありません。そういう生活をやめ、普段、手の届かないところにスマホを置く。たったこれだけで生活ががらりと変わるのを実感できます。スマホに、いかに人生の貴重な時間を浪費していたか、そして、ひっきりなしに垂れ流される情報の洪水を浴び続けるのがいかに精神によろしくないか、に気づくのです。

「死にたい!絶対に死んでやる!全部親のせいだ!!」と親を責め立てていたモナカさん(仮名)にも、全く同じ体験をしてもらいました。入院初日と2日目は流石にまだ、「死にたい死にたい」と言って怖い顔をしていましたが、3日目の朝には表情が和らぎ、彼女本来の柔らかい素敵な笑顔を見せ始めました。

ぐっすり眠れました。こんなに寝たの、どれくらいぶりか、、。まだ眠いです。
いいんですよ、たっぷり寝てください。あなたは疲れていたのです。人や情報に疲れ、疲弊で「死にたい」という気持ちになっていただけなのです。根本的な疲労がとれれば、少なくとも積極的に死にたいという気持ちは消えてなくなります。
私、色んなことを考えてしまっていて、、、仕事とか人間関係とか、何をやってもダメで、ミスはするし、皆と同じようにできなくて、一生懸命頑張ってるのに、上手くいかなくて、家に帰ってからもそんなことばかり考えて、、だから全然眠れなくなって、、、
良かったですね。大事なことに、もう気づけた。あなたは色々なことを考えすぎて、一方でスマホを弄り倒すことで、脳を疲れさせていたのです。スマホを手放しさえすればずいぶん良くなることに気づかない生活をしていた。スマホを手放すだけでこんなに変わるのに。これからあなたはどんどん色々なことに気づいていくでしょう。楽しみですね。
はい。スマホは、無いなら無いで、どうでもいいです。肩は凝るし、不愉快な気分になるし、、もういい。今はとにかく眠りたい。こんなに眠れるなんて、それだけでも嬉しい、、。

いかがでしょうか。これはほんの一例ですが、具合の悪くなりがちな人は執着しているものを手放せません。手放すことで良くなる「気づき」を得ることが、今の状況を変える糸口です。たったこれだけのことで変われるかもしれないという気づきが希望に育っていくのです。