佐藤ママの動画です。茂木健一郎先生の「質問力」にも書いてありますが、他人の勉強時間を聞くことほど意味のないことはありません。何故なら、佐藤ママも言っている通り、勉強の成果を時間で計ることはできないからです。10時間勉強しようと、嫌々やっていたのでは何の意味もないし、佐藤ママの子どもが5時間やっているからといって、他の人の子どもが5時間やればいいという話には絶対ならないからです。「やるべきこと」をやるために必要な時間は子どもひとりひとりによって全然違います。子どもを中学受験に挑ませようとする親がこんなこともわからないようでは正直困ります。


通塾の日の塾以外の勉強時間、塾はない日の勉強時間、休日の勉強時間を具体的に教えていただけないでしょうか。4年生からはほぼ自由時間がないものと考えた方が良いのでしょうか?

非常に大事な件なので繰り返しますが、他所の子が3時間勉強しているからと言って、自分の子も3時間でいいとは限りません。勉強で大事なのは時間ではなく<量×質>です。他人との比較に意味はありません。なので他所の子が3時間やっているからと言って、自分の子も3時間でいいはずがないのです。子どもによって質(集中力や理解度)や単位時間に処理できる量が違うからです。なので勉強時間や「見かけの勉強量」を他の子と比較することに意味はありません。万が一にも、他所の子が3時間勉強しているから、自分の子も3時間勉強させておけば「安心」と考えているなら、今すぐ考えを改める必要があります。

そしてもうひとつ、今回の動画の最重要ポイントですが、相談者が「4年生からはほぼ自由時間がないものと考えた方が良いのでしょうか?」と考えていることです。一体全体、どうすればそのような考えに至るのでしょうか。どこかの本にそのようなことが書いてあるのでしょうか。しかもよりによって浜学園の数学の問題を解くのが自由時間みたいなものと考える佐藤ママの子どもと一緒になるはずがないのです。自由時間が脳の活動性や記憶の定着に貢献するエビデンスはゴマンとあります。自由時間はむしろ取らねばならないというのが基本知識です。あとは親が自分の子供をよーく観察し、その基本知識をどのようにアレンジするか、そこに親の力量がかかってきます。

佐藤ママは他の動画でも「なるべく勉強時間を短くするように工夫した」と言っています。これが真理だと思います。この考え方や姿勢を身につけておかないと、後に膨大な質量の勉強をこなすことができなくなるからです。これを小学4年性的に言えば「やることをやったら遊ぶ」になるわけです。