私はそもそも感情のコントロールが苦手で、イライラが始まると冷静、淡々と平然としていられません。親、特に母親の感情の安定が育児や教育環境には必須だと痛感しておりますが、私にとって思い通りにならないことがあるとイライラし、子供への態度が雑になったり、ひどい時には暴言を吐いてしまいます。佐藤ママのように感情的にならずに日々過ごせるようになるには、どのようにしたら良いと思われますか?

この質問は私もたくさんメールをいただきますが、佐藤ママがどう答えるか非常に興味がありました。これに対し、佐藤ママの反応は、

結構、自己分析は済んでるんですね、

と前置きしつつ、

そうですね、まあ、、、で、お母さんの感情のコントロール、、

少々戸惑い気味に、それでも笑顔は絶やさず、、しかし次の瞬間、途端に笑顔を消し腕組みをして、

何をイライラしているんですかね?何をイライラしているの。

嗜めるような言い方をしています。まるで精神科医です。目の前の患者が情緒不安定で「わーっ!」となっているのに対峙しても、決して巻き込まれず、

何をイライラしているの。

と静かに嗜める。おそらく佐藤ママはお子さんに対し、常にこの姿勢を崩さなかったのだと思います。そしてこう続けます。

自分の思い通りにいかせようと考えすぎですよね。

私が繰り返し述べている「自分以外の他者を、自分の思い通りに動かそうとしない」という人間関係の基本原則です。この問題(情緒不安定)を解決するに最も大事な基本原則を最初に述べています。そして

そうねえ、、、母親の感情の安定ってめちゃくちゃ大事ですよ。

と、結論を述べます。

お母さんって、やっぱりニコニコしとかないとね。やっぱ家の中の空気感で子どもって育ちますから。

多くの受験のプロの先生方がそれぞれの本で述べている通りの話です。受験の細かいノウハウより、環境づくりが大事という話です。

私がまあどういうのをやりたいなと思ったのは、温かいものを食べて温かい家の中で、安心して毎日寝られるっていう。

超基本です。しかしこの超基本ができていない家庭が多いのです。何故か、受験の細かいノウハウの方に注意を持って行かれてしまい、この超基本の部分をほぼ完全に失念しているという本末転倒状態。

例えばお母さんが「あんなバカじゃないの?」みたいなことを言ったら、その言葉ね、(子どもは)100年くらい傷つきますよ。それはね、子どもに対して失礼、親として失格ですね。

「親として失格」と厳しくまとめています。しかしこのくらいの決意を持たないと行動化することはできません。親失格の烙印を押されたくなければ、死に物狂いで子どもの安心や安全を保証しなさいということです。ここでのキーワードは「子どもに対して失礼」です。これは佐藤ママの子どもに対する姿勢を物語る大事なキーワードです。子どもを目下の者(親が上で子どもが下)と扱わず、一人の人格として尊重している証拠です。この意識の差が行動の差(態度や言葉選び)に反映してくるのです。ここは必ずおさえてください。

子供への暴言は厳禁です。感情の制御ができずつい言い放ってしまいました、では済まされません。佐藤ママの言うように100年くらい傷つきます。100年傷つくような言葉を放ってしまったら、それこそ中学受験どころではありませんよ。