子育ては「子どもを有名中学に合格させること」でも「金持ちになり何不自由のない生活をさせること」でもありません。自分の子どもと一生懸命関わり、心を配ることです。佐藤ママはそのことを繰り返し強調しています。中学受験合格に足元をすくわれ、子育てのポイントを外してはいけませんよという話です。何度も言いますが、過剰な情報は自分の人生を複雑にし、厄介ごとを増やし、不安に翻弄される度合いを強める一方です。中学受験でそこまでイライラするなら、いっそ中学受験などやめてしまえばよいという話です。


そんなことをしたら、子どもの人生がめちゃくちゃになってしまうじゃないですか!


と食ってかかる親御さんもいるでしょう。果たして本当にそうでしょうか。親が子どもの人生を乗っ取り、自分の好きなように動かすことで、子どもの人生を自傷やODを果てしなく繰り返すものにしてしまうことは、子どもの人生をめちゃくちゃにしているとは言わないのでしょうか。自傷やODを行う若者の中には、超進学校と称される学校の生徒も少なくないのです。はっきり言いますが、自傷やODを治す薬はありません。


イライラの原因はほぼはっきりしています。過剰な情報と比較思考、他人からの評価です。親の過剰な恥の意識が、子どもにやらなくていいことまでやらせてしまっている。この論理はしっかり理解しなければなりません。自分を苦しめているのは他でもない自分自身です。だったらそういう自分を変えればいい。すぐに結果を求めず、自分を変えようとする生活そのものをライフスタイルにすれば良いのです。数学ひとつとってもそうです。すぐに解ける問題より、延々考えても答えが出ない問題に取り組んでいる方が味わい深い。ゴールが遠い方が人生を楽しめるし、不快な感情を味わずにすみます。子どもに悪い影響を与えることもなくなります。「あれもこれも」と欲張り、他人から誉められることばかりを考え、すぐに結果を求めるから苦しくなるのです。成果や結果はすぐには出ませんよ。


何をそんなにイライラしているの。


佐藤ママの問いかけに、正面から向き合ってみてください。自分のイライラの原因を自分で考え探ってください。それがあなた自身の生活を快適にする鍵であり、子育てに対し前向きになる鍵なのです。