佐藤ママが動画撮影の途中で興奮し、本来の質問から脱線した内容を捲し立て、途中で「あれ?何だっけ?」と我に帰るという事態になりました。こういうこともあるんですね。しかし精神科医としては見逃さないですよ。佐藤ママは兼ねてから気になっていた「あるワード」に対する思いが、不意に噴き出してしまったのではないでしょうか。それが「暗記」です。昨日の繁田先生の動画にあった「算数は暗記もの」の「暗記」。どうやら佐藤ママは、繁田先生が言う暗記と、多くの人の考える暗記に大きな乖離があることに少々苛立っている様にお見受けしました。暗記というと得てして「丸覚え」と解釈する人がいますが、それは違います。繁田先生や佐藤ママのいう暗記は「丸覚え」ではありません。基本的知識や考え方の道筋を繰り返し使うことで体得すること(手足のように使いこなすこと)、です。動画の中で「それは暗記じゃないですよ!」と言っています。ここ重要です。なので、算数は暗記といっても、問題と答えを丸覚えすることではありません。もしそのような解釈をしている人がいたら、それは間違っていますから、再度、繁田先生の動画をご覧ください。




元々の質問は、小学4年生までの成績は6年生の成績と関係があるか否か?4年生と6年生で、できる生徒は入れ替わるのか否か?という質問でした。

そもそも、この質問にはほとんど意味がありません。一般化できる問題ではないからです。科学的に証明されるものではありませんから、意見は一個人の主観になります。繰り返しますが、こういうことは一般論として言えることではなく、個々の子どもによってどうなるかはわかりません。勉強方法を間違え「カン任せ」「丸暗記」でやっていれば、成績は次第に落ちていくでしょうし、逆に勉強の型を身につけ、集中力が向上するにつれ急上昇する子もいるでしょう。佐藤ママの回答は、あくまで佐藤ママの子どもが浜学園に在籍していた頃の、佐藤ママの印象です。実際どうだったかわかりません。それを令和5年の今の、例えば東京のSAPIXの子どもに適用することもできません。従って、この質問で何が得られるのでしょうか?4年生の成績優秀者が6年生になるとこぞって成績が落ちていくと思いたいのでしょうか?そもそも4年生と6年生で「できる子」が入れ替わろうが入れ替わらなかろうが、そんなことは我が子の入試本番には何の関係もないですし、親はそのように考える必要があると思います。佐藤ママが繰り返し言っている「他人はどうでもいいんでね」です。

そういう質問を受けていた最中の出来事です。佐藤ママが突如「暗記」というワードに、まるで火がついたみたいに興奮気味に捲し立て始めたのは。もしかしたら佐藤ママは「多くの人の言う暗記」と、繁田先生や林修先生の言う「算数は暗記」の「暗記」の解釈が食い違っていることに普段から苛立ちを感じていたのかもしれません。

暗記だけで灘の問題を解いてみろ!っていつも思ってるんですよ。

と思わず叫んでいるところに心情が窺い知れます。今回の動画のポイントは、本来の質問から脱線したとはいえ、非常に大事なことです。多くの人が誤解する「暗記(問題と答えの丸暗記)」と繁田先生や佐藤ママのいう「暗記(考える道筋を理解し、繰り返し使っていくうち手足のように使いこなせるようになること)」は全然違うという点です。もちろん、問題や解答の丸暗記で灘の問題は解けません。従って誤解している人は、再度、繁田先生の動画を繰り返し見て、「算数は暗記モノ」の解釈を改めることをおすすめします。