ママ友に総スカンされたという母親からの相談に、佐藤ママはいつも通り即座にきっぱり答えていました。お気づきでしょうか。佐藤ママは多くの親たちの質問に大抵、間髪入れずきっぱり答えています。「うーん、どうかなあ、、」などと回答に窮することがほとんどありません。これはどういうことを意味しているかというと、佐藤ママの頭の中が常日頃からよく片付いており、「こういう場合はこうする」という佐藤ママなりの対応パターンがはっきりしているのだろうと推測します。それは佐藤ママの子育てが「自分と子どもたちが気持ちよく楽しく生活する」が明確な軸で、ブレることがなく、それを阻害するものを容赦なく「手放す」「遠ざける」が徹底しているからと思われます。

相談者は、子どもに家庭教師をつけていることをママ友たちに詮索され噂され、総スカンを食らったと言います。そういうママ友に対する「心の持ちよう」をアドバイスしてくださいとのことです。

結論は明解です。

世の中、いろんな人がいるので、気にしないってことですね。

私が相談されても全く同じことを言います。が、この「気にしない」ができない人がとてもたくさんいることを、私は精神科診察室で毎日思い知らされています。何故「気にしない」ができないのでしょうか?と言うと、

何故、気にせずにいられるんですか?

と逆に不思議がられる。ここはポイントです。「他人のことをやたら気にする人」と「他人のことをほとんど気にしない人」というのはどこか根本的に違いがありそうです。同じ人間でありながら、全然違う人間でもある。もちろん佐藤ママは「気にしない」人です。動画の中で佐藤ママは、

いろいろ忙しく、そんなことをしている場合じゃなかったので「下手な付き合い」が何もなかったんですよ、

と述べています。そして、家庭教師をつけていることを詮索される件についても、

「なんでそんなしょうもない質問するの?」「そんなの別にあなたに言う必要ないし」ときっぱり言えばいいじゃないですか。

と言っています。しかし他人を気にする人は「きっぱり言いたいけど言えない」のです。「気にしたくないけど気にしない訳にはいかない」という感じでしょうか。そういう人は、「気にしないようにする」以前に、まずこの価値観を受け入れましょう。

世の中、いろんな人がいるので、気にしないってことですね。

これです。これは重要な価値観です。世の中、自分に賛同する人もいれば反対する人もいるということです。このことを心の根本レベルで受け入れていないと「全員に賛同されたい」などというとんでもない発想が出来上がってしまいます。そんなことは現実的にあり得ないのに、その「あり得ないこと」に必死でこだわるようになってしまう。徒労です。そんなことにならぬよう、世の中、いろんな人がいる、という価値観を身につけ、そして子どもに伝えてください。皆が皆、同じ考えではないことをちゃんと受け入れるのです。これを幼少の頃から躾けられた子と、そうでない子は将来心の持ちようが全然変わってしまいます。佐藤ママが言っている通り、将来、不安や焦りで面倒くさいことがどんどん起こるようになってしまうのです。