中田敦彦さんの動画の続きです。アドラー心理学の次なるポイントは「課題の分離」です。「他人の心の内はあなたの課題ではない、だから介入するな」ということです。わかりますか?他人があなたを好こうが嫌おうが、それはあなたが介入することも操作することもできません、だから他人の心の内を深読みするのはやめにしましょう、そういうことをすると人生が複雑になります、と、こういう話です。

アドラーが「世界は極めてシンプル」というのは、他人の頭の中に介入さえしなければあなたの人生はとてもシンプルになりますという、極めて単純明快な論理です。人というのは他人の頭の中を探ったり操作しようとすることで具合が悪くなる生き物です。アドラーは人の悩みの全ては人間関係に起因すると断じています。「他人の頭の中に介入したり操作しようとしたりすること」は「あなたの関与することではない(則ち、あなたの課題じゃない)」だから「悩み」になってしまうんですよ、という話です。そんなことさえしなければ人生は非常にシンプルなのです。そうですよね。

精神の具合を悪くしがちな人は、ことさら、他人の頭の中を気にします。褒められたいとか、悪く思われたくないとか、それらは全て他人の頭の中の話なのに、そこに介入しようとするから、思い通りにならず、悩んだり苦しんだりするのです。だったらそんな不毛なことはやめましょうという論理になる。これがアドラーの論理です。

自分は自分、他人は他人、と言いますよね。その本質はここです。「これは私の課題」「これは私の課題ではない」をしっかり区別する、そうすることが「自分は自分、他人は他人」なのです。こういうことはぜひ親が子どもに伝えてほしいことです。皆と仲良くするというのは、決して、他人の顔色を伺って好かれようとすることではありません。では何か?アドラーは「仲間に貢献すること」と教えています。これは非常に大事です。その子の一生を左右することになりかねません。なので親は「貢献」とは具体的にどういうことかを、子どもにわかりやすく説明してやる必要があるのです。貢献の感覚を知らずして大人になると、人間関係の負の側面ばかりに注意を奪われ、不幸感ばかりを味わうことになります。

現代人は子供のみならず大人までもが、「他人の褒められたい」「他人に嫌われたくない」と思いながら生きています。非常に窮屈な生き方です。エネルギーの浪費が膨大です。何故なら、気にしたところでどうしようもないことにエネルギーを使っているからです。アドラーは「褒められようとすること」に加え「褒めること」も禁止事項にしています。下手に褒めることの弊害については成田先生も佐藤ママも述べています。私も子育てをしていて「実際褒めることってそうそうないな」と思っていました。

もし、あなたの子どもが、

◯◯君に嫌われた!

と言って嘆いたり怒っていたら、どのようにアドバイスしますか?