愛着障害は子ども時代を過ぎれば無くなるものではありません。幼少に発症した愛着障害は大人になっても続きます。情動や衝動を制御する能力や自分で自分の苦しみを緩和する能力、他者との関係を構築する能力の成熟に異常をきたします。

愛着障害を引きずる大人は、統計の10倍以上いる印象です。情動や衝動の制御に困難を感じている大人や、他者との関係を構築することに困難を感じている大人なら、何千万人という単位でしょう。知的障害や発達障害圏の病気を差し引いても、相当な数にのぼるはずです。

大人の愛着障害の特徴
・傷つきやすい
・怒りを感じると建設的な話し合いができない
・過去にとらわれがち、過剰反応
・0か100で捉えてしまう
・明るい展望を持てない など

発達障害圏の病気(自閉症や多動症)の大人も似たような症状を持ちますが、愛着障害の方が「抑うつ的」な印象です。明るい展望が持てないというのが鑑別点と考えます。あたかもうつ病のような症状に見えますが、うつ病とは全く違うので、治療も全く違います。抗うつ薬はほとんど効かず、それどころか薬は症状を複雑にするので安易な使用には注意が必要です。