子どもの教育で親が必ずしなければならないことを和田先生がバシッと述べています。子どもに劣等感を持たせないこと。そうですよね、その通りだと思います。精神科医として言い換えるなら、親の仕事は我が子の価値を見出し認め伸ばす支援をすることです。才能やスキルというのは価値ありきです。価値がわからなければ才能もスキルも伸ばすことはできません。

子供に劣等感を持たせないためにはどうすればいいか?それを考えるのが、親としての最大の仕事です。有名塾の最下位クラスで我が子をくすぶらせ続けることは、子どものためにならないどころか、むしろ教育虐待に近い行為だと言えます。では、我が子が最下位クラスでくすぶっているとしたら、親は具体的にどうすればいいのでしょうか?答えは簡単です。その子がちゃんと結果を出せる、別の方法を考えればいいのです。例え有名塾だとしても、そこで「できる子」になれていないのなら、その塾はあなたのお子さんに合っていません。それなのに何故、他の選択肢を考えないのでしょうか?「有名塾に通えばできるようになる」というのは幻想です。そう考える親に必要なのは、その幻想を捨て、結果に繋がるような別の手段を本気で模索することです。

精神科医和田先生は、親御さんに「自分の頭で懸命に考えて下さい、安易にネット上の見知らぬ人に答えを求めないで下さい」「Aという方法がうまくいかないなら、Bという別の方法を考えてください」と申し上げているのです。親が自分の頭で考えないことには、子供に適切な環境を提供することができません。知らない他人が適切な判断などできるはずがないのです。自分の子どもの件を考えることを放棄しないでください。親が自分の頭で考えない姿勢や態度が、子どもの思考力や判断力を低下させる1番の理由になっていることを知って下さい、という話なのです。