前開成中学高校学校長で東京大学名誉教授柳沢先生の子育て金言はとても大事なので何度も紹介します。

子どもが中学生になったら(高校生ではありません!)みなさんの密着した子育ては今日で終わりです。

これは子育ての絶対ルールにして欲しいルールです。精神科医として切にお願い申し上げます。柳沢先生はこう続けます。

息子の合格は母親にとって大きな成果ですし、快感でもあります。そうなると、そこから離れられなくなってしまう人がいます。中学受験でしてきたように、その後もずっと息子にかしずいてしまう方がいる。子どもの親離れという本能を押さえつけるほど、子どもを自分の側に強力にひきつけてしまうのです。

精神科医の仕事をしていると、このような親が、私が診察するだけでも年間100人以上います。子離れできない親、親という役割にしがみついて離れない親に支配され、自己操縦感を失い、精神の具合を悪くし、生活が破綻してゆく子どもたちや若者が、猛烈な勢いで増えている。柳沢先生はこう続けます。

ここで子離れできなかったために、後々まで同じ関係性を引きずり、年老いていくことがあります。「8050問題」はその典型例でしょう。80歳の親が50歳の引きこもりを抱える。というものです。そうなると親は死ねません。親が死んで年金がなくなったら子どもは生きていけませんから、死んだとしてもミイラになるまで置いておかれる。文字通り「死んでも離れない」という恐ろしい状態になるのです。

ブログでも70歳の女性が90歳の母親に依存し「認められたい願望」に振り回されている例をご紹介しました。90歳になっても死ねない親、70歳になっても「親に死んでもらっては困る子ども」です。全くもって異常ですが、今精神科ではこのような人が猛烈な勢いで増えているのです。みなさんは大丈夫でしょうか。病的に子どもや親にまとわりつき、自分の人生をそっちのけにしてはいないでしょうか。自分の空虚な人生の穴埋めを子どもの人生でしようとしてはいませんか。