「嫌われる勇気」って本がベストセラーになったんだけど、それ読んだ時「アドラーを知っとけばよかった」と思った。俺が40年かけてたどり着いた思考の枠組に、100年も前にアルフレッドアドラーはたどり着いているわけじゃん。特に教育に関してアドラーが結論を出しているにも関わらず、いまだにさあ、、、あの中で何に感銘を受けたかというと「親は子どもに教えるな」「対等に接しなさい」と書いてる。対等に子どもが納得のいく説明をする。ひとりの人間として尊重して、自分が知っている知識を教える、要は「助け合い」「ギブアンドテイク」「子どもから教わることもあるからwin-winの関係」と言う話。だけど親は皆自分の支配下におこうとするじゃん。だから子どもは怒られないようにするために親に従順になる。


いかがでしょうか。佐藤ママが常々言っている事です。子どもをひとりの人格として尊重する。これが子育ての軸です。これを忘れたら、もう終わりです。中学受験も東大も大企業も全部無駄。極論とは思いません。何故なら、その結果が「延々親に縛られる人生」ですから。自分の不遇を全部親のせいにする人生です。そんなのもう終わりですよ。随分前に記事にもしました。70歳の女性が90歳の親にずっと縛られている話です。彼女の70年は一体全体何だったのでしょうかと書きました。親が子どもを認め、子どもの自立の後押しをしないことがこんな悲劇をもたらすという話です。70歳のお婆ちゃんが「親に認めてもらえない」と言って泣いているんです。20歳の大学生じゃないんです。そして「死なれては困る」と言っている。「まだ認めてもらっていないから」です。ゾッとする話ではないでしょうか。キャリア云々のレベルの話ではないのです。


次男は就活はしないと言っています。「じゃあどうするの?」と私は聞いてもいません。むしろ喜ばしく思っている。何故なら、もし次男が「親を喜ばせたい」とか「親に心配をかけたくない」という厄介な鎖に縛られていたら「就活しない」などと言うはずがないからです。健全な精神を育んでくれて良かったと、むしろこっちの方を私は喜びました。そんなね、大学卒業したら皆一斉に就職するなんてね、世界中のすべての国がやっていることじゃないんですよ。そんなのはむしろ少数派なくらいです。私たちの時代とは違うのですから、好きなようにやればいいと思っています。むしろそうしてもらわないと困ります。精神科医の息子なんですから。「皆と同じ」じゃなく「自分は自分」の人生を切り開いてくれないと。「親を心配させたくないから就職した」などと言われたら、私精神科医も子育てヲタクもを辞めようと思っていました。「心配する」と子どもに感じさせるような育て方をしてしまった、という証拠を突きつけられるようなものですから。「あなたはもう大丈夫だから自分で勝手にやってちょうだい。失敗、大いに結構、どんどん失敗してちょうだいよ。家もね、こうちゃんと私はこれから新婚気分を味わうんだから、出ていってちょうだい」といちいち言わなくても次男はきっとそうしてくれるはずです。