中学入試本番のこの時期に「中学受験の始め方」という動画はタイムリーです。来年再来年のこの時期に入試本番を迎える子どもや親御さんの頭を整理することができるからです。来年受験の人は「まだ1年もあります」。我が子を中学受験に挑ませる親御さんに精神科医として申し上げたいのは、常に頭の中を整理整頓してくださいということです。整理整頓すれば無用な不安に振り回されずに済むからです。親の不安は高確率で子どもに伝染します。勉強して試験を受けるのは子どもですから、子どもに不安を伝染させるのはインフルエンザを感染させるどころの話ではすみません。結論です。

我が子を中学受験させるなら親が始めること5選
① 学習習慣と基礎学力を身に付けさせる
② 中学受験の基礎知識を身につける
③ 家族会議をする
④ 家計のシュミレートをする
⑤ 塾選び
❻ 家族ぐるみで不安処理能力を高めるエクササイズに取り組む
❼ 親が自分で考え判断する能力を身につけ向上させる

①から⑤はにしむら先生がおっしゃっていること、❻❼は私からの推奨です。中学受験にまつわる様々な問題はこの7つにほぼ分解できると言って差し支えありません。複雑な問題は必ず分解して対処するという思考は必ず身につけてほしい。そのためには岡田斗司夫先生が言うように、頭の中だけで悩んではいけません。必ず書き出し分類するのです。分類することで対処すべき具体的問題や課題が見えてきます。この思考方法こそ子どもが大人になり仕事をするようになってフル活用するスキルです。こいつを身につけていないと無用に不安に振り回され精神科に訪れるハメになります。

①から⑤の具体的内容は動画をご覧になっていただければ手に取るようにわかります。にしむら先生の説明は非常に洗練されており秀逸です。伝える能力表現する能力が抜群なのです。理由はにしむら先生の頭の中が常に整理整頓されているから。的を得ない説明は聞いている者の頭を混乱させるばかりか不安に陥れます。これは親が子どもに何かを説明する場合も同じです。自分の頭の中がろくに整理されていないのに、躍起になって子どもに自分の考えを押し付けるのは厳に慎みましょう。

①から⑤は全て大事に見えますが、私が強く勧めるのは②です。中学受験の概略を頭に叩き込むこと。同じことを私は子育てで行ったのですが、にしむら先生は中学受験を「お化け屋敷」に例えています。何処から何が飛び出してくるかわからないと思うと、人は得体の知れない不安に振り回され極度の緊張状態になります。そんなふうになった頭では中学受験を乗り切ることができません。にしむら先生の話を文字起こしします。

中学受験をよくわかっていない人は、中学受験は親子ともに大変という話は知っていても何がどう大変なのかは具体的にわからず、得体の知れない不安があるかと思います。そして実際中学受験は場合によっては作り物のお化け屋敷以上にホラーになりかねない世界です。中学受験の世界に足を踏み入れたばかりに不幸になる家庭は珍しくないですからね。でも中学受験とはどういうものかをあらかじめ理解しておけば「そういうものだよね」と冷静に受け止めることができます。どういう時期にどういう状況でどのような悩みが生まれてその悩みを解決するためにはどのような選択肢があるのかをあらかじめ知っておけばどの選択肢を選ぶか迷うことになってもパニックになったり無駄に悩んだりすることはなくなります。