「芸能人は歯が命」というCMありましたよね。夫曰くスポーツマンは「走り方」が命だそうです。息子たちが4歳の頃から夫は「走り方」を丁寧に教えていました。例えば「腕を振るんやなくて肩や肩!」とか「腿しっかり上げんかい!」とか「フラフラ走らんと真っ直ぐ走れや!」とか「足の回転が勝負や回せ!」という具合です。逆立ちや水泳はけっこうユルユルで穏やかなムードでしたが、走ることだけは中学高校生に教える監督のような口調でした。ただし1回のコーチは10分もやっていません。チャチャっと教えチャチャっと終わるというやり方です。

中でも「肩や肩!!!」は私の耳にすら刻まれました。だから私もランニングの際は、肩を振る癖が自然につきました。さすがに「下からパンチ食らわせる」振りはしませんが、息子たちは喜んでやっていました。おかげで長男も次男も小学生の頃は体重の割に足が速くクラスの皆から一目置かれていました。

小学生の男の子にとって「足が速い」というのは、勉強ができるのと同じかそれ以上に自信になるらしく、かつ結構体重があるのに速いという意外性もありその分余計に自信が増しているようでした。私は息子たちの「走る」を通じ、この頃の子供にはそれがどんな小さなことであっても「得意」を身につけさせるのはとても大事と思いました。別にサッカーとか野球といったご立派な種目でなくても、ただ「走る」というのでも全然構わない。鉄棒でもドッジボールでも、自信の芽はそれがどれだけ小さなものであっても、長い時間を経て確実に育っていくということです。