性犯罪を犯せば人生終了です。数ある犯罪の中で最も忌み嫌われ、馬鹿にされ、最低の人間の烙印を押される行為だからです。一生ついて回るでしょう。刑期を終えても「いつ暴露されるか」と終生、戦々恐々としなければなりません。インターネットやSNSといった文明の利器は、一方で、心理的に抑えつけられ鬱屈した人々の「袋叩きの標的」を探すツールと化したのです。20年30年前と状況は全く違います。

ジャニー喜多川氏に続き、今度はお笑い界の重鎮、松本人志氏が炎上しています。

あなたの息子が性犯罪加害者になったらどうしますか?絶対ならないと言いきれますか?「絶対ない」と言い切れるほど我が子に自制心や自己肯定感を育む教育をしている(してきた)と自信を持って言えますか?机の上の勉強だけにかまけて大事なことを教えぬまま時間が過ぎていませんか?

有名中高一貫校に行こうが東大に行こうが、犯罪を犯さない保証にはなりません。他人の目には「あんなに真面目でいい子だったのに」と映る人が、過去どれだけたくさんの犯罪を犯してきたでしょう。友人にタリウムを飲ませ殺害しようとしたり、明確な殺意を持って老婆を殺害した名古屋大学の学生の親は娘の心に潜む狂気を知っていたのでしょうか。言動から異常性を読み取ることが出来なかったのでしょうか。何より

子どもの心の内を知ろうという姿勢で話を聞いてあげてきたのでしょうか。

膨大な情報に翻弄され、不安に翻弄されると、人は不安を吐き出したがります。話したくて話したくて仕方がなくなる。子どもの話を聞くべき立場の親がそんな状態になっては、話を聞くどころか、自分ばかりが一方的に話し続け不安をぶちまけてしまいます。すると肝心の子どもは話すことを諦め「溜め込み」が始まり、次第に狂気が芽生え始めることもあるのです。

昔も今も、自分の子どもが犯罪を犯さないと言い切ることはできません。が、昔より今の方が10倍100倍可能性が高まっています。今後は更に増えるでしょう。情報氾濫と格差拡大、貧困加速、教育の質の低下に呼応し、心の暴力性は高まる一方だからです。あなたの息子が暴力や犯罪を犯さないよう躾教育を行うことは、社会全体の暴力や犯罪を減らすことに大きく貢献することを忘れないでください。最低限の心得として躾と「干渉」や「支配」を混同しては絶対にいけません。