子どもの習い事についての親の悩みは尽きません。そもそも何を習わせたら良いのか、子どもが嫌がったら辞めさせる方がいいのか続けさせる方が良いのか。しかし高濱先生は「正解があると思うから悩むのです」と断じています。正解を探す方に夢中になり子どもの観察を怠るから本末転倒な話になるのです。

やってみて、嫌だって言って、それですぐ辞めさせた方がいいのか、もうちょっと様子を見て、もしかしたらこの先好きになるかもって、すごい迷うんです。

という母親の質問に高濱先生は次のように答えています。

お稽古事を辞める辞めないも正解をイメージするから悩むのであって、簡単に言えばこの子の目が光っているか光っていないとか、もっというと親が「これ絶対やらせたい」と信念で思うならばやり続けてるとやっぱり力もついて、そこは信念と価値観で決めていいことなので正解はないです。

お稽古事悩み問題は悩み1番くらいよく言われますよ。面白いのはね、僕、あなたのお子さんの性別も学年もわからないのに「うちの子、ピアノやめさせた方がいいですか?」知らねーっつうの、誰だよそれ、みたいな。それくらいよくあるんですよ。

ここですね。ゆき先生が言っていた「そのどうしたらいいですか?っていう質問やめて欲しいんですけど」っていうアレです。自分の子どもの問題を、その子どものことを何も知らない他人(佐藤ママとか)に質問してしまうという心理構造、これがいちばん問題なわけです。この心理構造が子育てを複雑困難なものにし、親を悩ませるのです。悩むくらいならまだいい。精神の具合が悪くなったり子どもに暴力暴言を及ぼすようになる。これがいちばんダメなのです。

決意してやるしかないのよ人生って。決意としか言いようがない。結果はなるようにしかならない。

最後に高濱先生はこう断じています。「もし子どもが本当に嫌だと言っていたらやめさせた方がいいのですか?」と、いまだに言っている母親に対して、です。私は、親が子どもに教えるべき最も大事なことのひとつが、この「決意してやるしかない、結果はなるようにしかならない」マインドだと思っています。私が散々「心に決める」というセリフを使うのはまさにこれが理由で、「心に決める」というのは裏を返せば「もう迷わないと宣言すること」です。子育てでもお稽古事でも、決意を決めないから、次から次へと襲いかかってくる情報洪水とそれによって生まれる不安に翻弄され、訳の分からないことになってしまう。これは大人も子どもも同じです。従って「心に決める」とはどういうことかを親が子どもに行動で示すしかありません。

「決意して、結果はなるようにしかならない」マインドというのは親が子どもに行動と生き方で示すしかないのです。