「心の持ちよう」が人生を大きく左右することは多くの人が知るところです。当然、中学受験にも影響します。今回の動画は「ちょっとした大きな違い」とタイトルが付けられていますが「多くの人が軽視しがちだけれども、実はとても大事なこと」という意味でご理解ください。繁田先生の教えを文字起こしします。

小学生の子どもにとって友だちと遊ぶ時間や息抜きをする時間はとても大切な時間です。ある意味、健全な心の発育を促すため、勉強と同じくらい必要なことと言えるでしょう。これまで私が見てきた合格した子が遊ぶ時間を惜しんで勉強していたかというと、決してそんなことはなくて、むしろよく遊んでいた印象がある子が多い。遊ぶ時間は遊ぶ時間として確保し、その時間は勉強のことを考えずに目一杯遊ぶ、勉強の時間は勉強の時間に集中する、そういった形のメリハリをつけた学習ができているこの方が成績として良い結果を出しています。

いかがでしょうか。「そんなの当然じゃない?」と思う人、多いでしょう。ではちゃんとできている人(子)がどれくらいいるかというと、ずいぶんたくさんの人ができていないのが現実です。大人の例で言えば、会社での不快な気持ちを退社してからも延々引きずり、家に帰ってからもずっとそのことを考え、なんなら休日も丸々一日そのことを考えうだうだした時間を過ごしてしまう、という人が実に多い。だから精神の具合が悪くなるのです。「気持ちの切り替え」は子供の頃からの思考行動習慣です。従って、中学受験のためだけでなく一生を左右する重要なスキルと考え、ぜひ子どもに身につけさせてください。

動画の中で繁田先生も言っていますが、「気持ちの切り替え」「メリハリ」を身につける手順の最初は「時間を利用して切り替える」です。例えば我が家は毎朝7時から夫が朝食を作り始めます。なので小学生の息子たちは仮に宿題が終わらなくても、7時になったら父親と一緒に朝食を食べるというルールになっていました。「あと少しなのに!」と思っても、必ず一度中断することを幼少の頃から教えこまれていました。そして食べる間は宿題のことは考えない、話もしない。これは非常に大事な躾です。そのためには親がスケジュールを守る生活をするのが必要です。夫は長いラグビー生活で時間に非常に厳しくなっていました。約束の時間に遅れることなど絶対ありません。そういうライフスタイルを親がしていれば子どもも自ずと「それが当たり前」になります。「気持ちの切り替え」のできる子にするための手続きとして、是非親がスケジュールを守るメリハリのある生活を心がけてください。