社会性を身につける宿題:6人以上で銭湯 | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

私が小学校低学年の頃の担任の先生で

初川先生という方がいました。

ずいぶん前のブログにも紹介したことがあるのですが

(参照:小学校の先生:コミュニケーション・・・

先生の宿題は一風変わったものでした。


どれもが

10人以上で遊びなさい。

5人以上でサッカーをしなさい。

というもので

このご時世に受け入れられるのか分かりませんが

子どもからするとなかなか楽しい宿題ばかりでした。


その中の一つに

6人以上で銭湯に行きなさい

というものがありました。


今はもうあるのか分かりませんが

私の小学生時代は

昭和時代を象徴したような

銭湯がありました。


ガラガラと横にひらく、今にも外れそうなドアを開けると

左手の高台におばあちゃんが座っていて

いらっしゃい、としわくちゃの顔を更にしわくちゃにして言ってくれるんですね。

そして母親からもらった小銭をおばあちゃんに渡すと

ありがとう、と言われてなんだか嬉しくなって靴をぬぐ。

正面を向くと、おじさんたちが腰に手をあてて牛乳を飲んでいたり

素っ裸のおじいちゃんたちが談笑していたり。

子どもの私としてはドキドキワクワクでした。

大人の世界に足を踏み入れる、というか

今まで見た事のない世界への突入だったのです。


そして恥ずかしがりながら服をぬぎ

お風呂場の中に入ると

やけに声が反響する室内で

お湯が流れる音

桶が床に当たって響く音

様々な音がまじり

視界は湯気でみえにくく

銭湯ってこういうところなのかと感動さえしました。



お風呂のお湯は、すぐに手を引っ込めてしまうほど熱く

中に入るとたちまち友達の顔が赤くなっていき

熱いからといって蛇口をひねり冷水を入れていると

熱湯でも平気にしているおじいちゃんに怒鳴られたり

騒いでいると

背中に刺青をしたおじちゃんににらまれたり。



今思うと

銭湯とはただの大きいお風呂ではなく

様々な人が集まり交流する場所だったんですね。


そして全てが終わり

身体から湯気を発しながら

友達と帰り道を歩きつつ

何かものすごい達成感をもったのを覚えています。



今思えば、初川先生は

こういった宿題を通して

どんどん人と関わっていきなさい、というメッセージを発していたのかもしれません。


人と関われば関わるほど、

面倒なことも多くなります。

時には人を困らせたり

迷惑をかけたり。


しかし、そんな中で、子ども達は様々なことを学んでいくのだと思います。

子ども達はどんどん大人に迷惑をかけるべき、といったら大げさでしょうか。

そういう中で叱られたり、注意されたり

時には私ににらまれたりして(笑)

社会性を身につけていくのだと思います。

(こういった子は大抵男の子ですけどね 笑)


巣鴨アドバンススクールも

ただの勉強する場所ではなく

子ども達が社会性を身につける場所の一つになれればと思っています。


明日の11日(木)は祝日のため塾はお休みです。

なんだかとても久しぶりの祝日のような気がして

生徒たちと一緒に万歳してしまいました(笑)