バイリンガルへの道:リスク管理という考え方 | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

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アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

先日、生徒から

リスクって日本語だと何ですか?

と聞かれたので

辞書を見てみるとその教科書には「危険」と書いてありました。

危険って dangerous だからちょっと違うかな


という会話があったのですが

先日、勝間和代さんのポッドキャスト:ブックラバーズを聞いていて納得がいきました。

(勝間和代さんとは、ビジネス界の先頭を行くビジネスウーマン、経済評論家、公認会計士でありながら
3児の母でもある方で、彼女が執筆する本は必ず売れる、とまで言われるほどに有名になった方です。)


その中で

リスクというのはボラティリティーである、という発言がありました。

それが私の中でリスクという概念が腑に落ちた瞬間でした。


ボラティリティーとは変動幅という意味で

リスクをとるということは、その分のリターンがあれば痛みもあるのだ、と。

株、というのが分かりやすい例かと思いますが

今の日本で銀行にお金を預けても利率が大変低いためになかなか額面は増えません。

しかし、株というのは利率が高いために、銀行よりも早く増えていきます。

もちろん、株は貯金とは違い、額面が逆に減るという変動もあります。


このリターンが高ければ痛みもある、という考え方がリスクをとる上で必要なのです。


そこで

バイリンガル教育というのをこのリスク管理という面から見てみましょう。

子どものうちにアメリカで英語を学ぶ。

これは英語を学ぶ上で非常に恵まれた環境です。

しかし、リスクという観点から見ますと

このリターンが大きいがゆえに、

痛みが生じる場合もあります。


いわゆるリミテッドバイリンガル、と呼ばれる子どもたちですが

どちらの言語も中途半端になってしまい

思考レベルが学年相応にたどり着いていない、という子どもたちです。

これはまさしくリスクをとったが故に、リターンでなく痛みを受けた例と言えます。


このように、バイリンガル教育とは

リスクがある教育だと私は思っています。

そのリスクを負いつつも、痛みを伴わないようにし、リターンを最大化するために

家庭内において、どちらかの言語に重きを置く、という指針を確立する必要があるのだと思います。


お母さんが、英語にするべきか日本語にするべきか、迷っていると

子どもも迷います。


アメリカに一時的に滞在しているのであれば

日本語を中心に学ばせるべきでしょう。

幼稚園児などは特にそうです。

単純なアルファベットよりも、複雑なひらがなを先に学ばせてあげてください。

複雑なものを学んだ後で、単純なものを学ぶほうが、精神的に楽になります。



そして、日本に帰国する予定が無いのであれば

無理をしてそのこの学力レベルに合っていない宿題をやらせて

日本語を嫌いにさせるよりも

学年相応レベルより進度がどれだけ遅れても、そのこに合った教材で

確実にステップアップさせた方が

リスクに伴う痛みは軽減されるのではないでしょうか。


それと、お母さんの中で、日本語をしっかり学んでもらいたい、という意識があるのであれば

家庭内において、一人一言語ルールを確立する必要があります。

中途半端に日本語の文章に英単語を入れないよう気をつけるべきです。



というように

バイリンガル教育というのはリスクを伴うものであり

その痛みを最小限におさえ、リターンを最大化するためには

お母さんお父さんが、バイリンガル教育というものをまずは理解する必要があります。


それはあたかも株の勉強をしないで、株に手を出すようなものでしょう。

その「バイリンガル教育を理解する」ということのためにも

お母さんお父さんが集まって定期的に勉強をする必要があるのだと思います。

巣鴨アドバンススクールでは、バイリンガル教育の勉強会を不定期ですが開催してきました。

おかげさまで、大変好評なのですが

なかなか時間をとれず、次の勉強会の日程は決まっていません。

また、開催予定のめどがたち次第、皆さんにお知らせできればと思います。


理想を言うと、地域ごとに誰かが音頭をとって

巣鴨の校舎を使用してもらって結構ですので

勉強会を開くというのが最適なのですが

無理ですよね? 笑

何か勉強会を開く上で提案とかありましたら

ご連絡ください。

それでは。