春光の横断歩道妻の足 広


春の光に誘われて、妻と駅前のスーパーに行った。横断歩道を渡る時は、青信号が点滅していなくても、次の青信号を待つ。


渡りかけて信号が点滅すると、早く渡らなければと気が急き、足がもつれかねない。時間を気にすることはないものの、長年の習慣で信号の変わらぬうちに渡らなければといった思いに急かされるようだ。


妻の足は、その習慣に応じられなくなっているのだが、条件反応のように足が出る。それを止めて次の青信号を待つ。

ちょっとしたことだけれど、ゆったりとした気持ちになる。