冴返る野道の角の分譲地 広


畑だったところが、いつの間にかきれいに土地がならされ、分譲地になっていた。

郊外の家に住むようになった10年前は、まだ水田があり、畑があり、のどかなものであったが、その水田が櫛の歯が欠けるように耕作放棄地になり、そこにいつしか住宅が建ち、郊外の風情が薄れていった。


しかし、残っている畑の一角や家の玄関口で無人売店をされているところがあり、100円玉一つで結構な野菜が買えたりする。郊外ならではの営みであり、新鮮な物が安く買えると気分が良く、自転車のペダルが軽くなる。