電車待つ駅のホームや春浅し 広


郊外の家に行くため、乗換の駅で電車を待った。

車内で隣に座っていた女性がコンパクトを開いて化粧を始めたので、そのことを詠もうとしたが、なかなか17文字におさまらず、駅のホームでふと浮かんだ景を句にした。


定年後は、色々な事があっても余録に預かっているようなもので、ゆとりというのかオマケを生きているような思いがし、しかし一方ではこれが本当の人生だという思いもして、春の陽気のようにゆらゆらする。