読売の嘘八百の記事寒し 広

 

よくこんな嘘まみれの記事が書けたものだ。

能登半島地震の被災地、穴水町の県立穴水高校の自販機が壊され、飲料と金銭が盗まれたと、壊された自販機の写真とともに、悪質な行為だと断罪した記事のことだ。

 

当の記事は、女の指示を受けた複数の男がチェンソーとみられる道具で自販機を破壊、目撃者の男性は「けたたましい音が学校中に響き渡っていた。避難所はパニックになり誰も止められなかった」とおびえた表情で語り、同校の島崎校長は「避難者も不安に感じているので、許せない」と憤ったと、書いている。

 

     


ところが、この読売新聞の記事を受けて、北國新聞は「男女数人が自販機を壊し、同校の避難者用に飲料水を置いていったとみられることが6日、同校などへの取材で分かった。自販機を壊した人は『自分も避難者で、飲み物を確保するために自販機を壊していいか(管理者)に確認した』と話しており、石川県警は事件性はないとの見方を示している」と報じている。

 

読売新聞の記事では、避難所における明らかな器物損壊・窃盗行為なのだが、北國新聞の記事は管理者の許可のもと、飲料水確保の正当行為であり、石川県警が事件性なしとていることから、読売がデタラメな記事を書いたということになる。

 

しかし、デタラメな記事にしても、よくこれだけ嘘八百の記事が書けたものだと、そのことに唖然とする。

事実関係において判断の難しい事柄ではなく、避難者や管理者に一言聞けば実情が分かるにもかかわらず、同校校長のコメントを添えて、さも事実であるかのように仮装しており、これほどデタラメで悪質な記事は珍しい。

 

ところが、こんな誤報を垂れ流しながら、当の読売新聞は読者に対しなんの謝罪もしない。災害時にはとかく流言飛語によって不幸な事態が生じることは関東大震災で経験したのではないか。

 

その流言飛語を指弾し、SNSには偽情報が出回りやすく、悪質な投稿は火事場泥棒のようなものだと非難する大手新聞自らが悪質なデマを飛ばし、しれっとした顔でSNSの無責任な投稿を難じて恥じない。

 

     


1月7日付読売新聞の編集手帳は、上記の論調でSNSのデマまがいの投稿を非難するが、この非常識な体質が大手メディアの現実なのであろう。

自販機破壊・窃盗の誤報は、チェックすべき部署を経て掲載されたはずであり、一記者の問題ではなく組織的な問題にもかかわらず、なぜ嘘八百の記事になったのかという検証もしない。

 

他のメディアは、当の記者や上司のデスクに誤報の経緯を聞くこともしなけば、当の誤報にも触れない。

ウソ記事、誤報は時に人を死に至らしめることもある。

SNSのデマをあげつらう前に、大手メディアは自らのデマ、捏造、歪曲記事(ニュース)を検証すべきだ。