しぐるるや妻の手をひく駅ホーム 広

 

天気予報は昼頃から雨になると告げていたが、朝からぱらぱら雨が降り、路面が湿っていた。

マンションの隣室が今日からリフォーム工事を始めるため、大きな音が生じる時には郊外の家のほうがいいだろうと、妻とマンションを出た。

 

雨が降っているのかいないのか分からないような降り方で、傘を差さないで歩いている人もいたが、今朝はことに手足が冷えた。

乗換駅は急いでいる人が少なくなく、また人の流れが複雑なので、妻の手を取ってエレベーターで目的のホームに降りた。

 

郊外は、当然のことだが、大阪市内よりぐっと冷えていた。家の中で妻は重ね着をし、膝掛けの上に小さな布団を掛けていた。

寒暖計を見ると、室温10度。エアコンを入れて暖房すればいいのだが、アレルギー性鼻炎のせいか鼻が詰まるため、よほど冷えない限りエアコンは使わず、ホットカーペットでしのいでいる。

 

その隣室のリフォーム工事が来年の2月までかかるものだから、「真冬にせず、気候の良いときにされたら、こちらの公園のいろんな花が見られるのに」とちょっと悔しそうに妻がもらしていた。