どくだみを踏込み庭木整える 広

 

前庭の南天の裾一面にどくだみが生い茂り、白い可愛い花をつけていた。

どくだみは「すぐに増えるから適当に間引いたほうがいいわよ」と妻に言われていたが、その可愛い花に惹かれて、間引かずにいた。

 

南天も成長が早く、油断しているとお隣に迷惑になるほど枝葉を伸ばす。今春、妻の指図でバッサリ切って、これでしばらくは大丈夫だろうと思っていたものの、気がつくとブロック塀の頭を優に超え、お隣に気が引けるほどに。

 

南天をそのままにはできず、どくだみが花を咲かせていたが、仕方なくどくだみに踏み込み、南天をバッサリ切った。

 

踏み込んだあと、どくだみがどうなっているのか足元を見ることができず、そそくさと家に入ったけれど、翌朝、その前庭を見ると、どくだみがいつもと変わらず生い茂っていた。

 

なんとも羨ましい生命力に、妻の乳がんからの骨転移が快復するような思いがした。