土曜日

ワシントンDCに日帰りして

お世話になっている新聞記者さんから

オバマ政権の最新情勢を教えていただいてきました。


オバマさんは原稿をほとんど一字一句違わずに読むのだとか、

経済対策をもっと矢継ぎ早に打ち出すかと思ったら意外と遅いとか。


日本の政治状況もついでに教わってお勉強になり

有名レストランを2軒ハシゴで案内していただき

とってもよくばりな夜でした。


近いからと調子に乗ってずいぶん通ったDCですが、

あとお花見のとき一回来るくらいかな・・・と思ったら

急に帰国が近づいている実感がわきました。


sugachiblog-dc

日曜日

栗原はるみさんのレシピでチーズケーキを焼いてみたら大正解で、

さっそく同じマンションで仲良しの1年生ご夫妻のところへ持って行きました。


それでも多いので、階下に住むチームメイトのBrianにほとんどあげました。

マクドナルドでハンバーガーを4つ食べるBrianだから大丈夫でしょう。



このところオバマ大統領就任式の話題でもちきりだったアメリカ。

ついにその日がやってきました。


1月20日

11:30am 就任演説 

      ここ で11時から生放送があるそうです。日本時間だと深夜1時ですね

2:30pm パレード


オバマ陣営からは、この日を照準に世論を盛り上げるため

ぜひ地元でパーティーを開いてください、

寄付してください、ボランティアしてください、メッセージビデオを見てください、

オバマはこの電車に乗ってこの時間に車窓から手を振ります、

と連日たたみかけるようにメールが届き、

ショートメールでオバマ動向を送ってくれるサービスまでありました。


株価暴落、失業率急上昇、消費停滞、財政破綻寸前。


オバマ新大統領への期待が国の信用力を辛うじて支えているような状況で、

飛行機が川に不時着した事故が喜ばれるほどいいニュースの少ない

アメリカですが、それでも国民の8割は

「アメリカにふさわしい繁栄をオバマなら取り戻してくれる」と前向きで

メディアもあえてそういうコメントを選んで流しているように感じます。


ニューヨークタイムズとCBSニュースが先週行った世論調査

◆不況は何年続くか? 

  半年:5% 1年:25% 2年:33% 2年以上:35%


◆オバマ政権の経済政策が成果を出すには何年かかるか? 

  1年:17% 2年:38% 4年:18% 4年以上:17%


「この不況は相当深刻で、

オバマが就任したからといって一朝一夕には解決されないけれど、

それを理解して待ってくれるだけ米国民が成熟してきたというのは

素晴らしいことですよね」とキャスター。


おっしゃるとおりです。

ウォートン校の名物教授というと

ファイナンスのシーゲル(J.Siegel)やアレン(F.Allen)、

リーダーシップ学のユシーム(M.Useem)と並んで

ダイアモンド(S.Diamond) の名前があがります。


今学期わたしはダイアモンド教授の交渉術の授業を

オークションで9300ポイント以上注ぎ込んで落札しました。


といっても規模感が伝わりにくいと思いますが、

定価は1授業1000ポイントで

ダイアモンドの授業は例年だいたい7000~8000ポイント必要で

それが今年はさらに1300ポイント近く値上がりしたのです。


びっくりしました。


理由を紐解いてみると、今学期は金融危機の研究をするために

「サバティカル休暇」なる長期の有給休暇をとる教授が続出したため

残った数少ない良質な授業がとても高騰したようです。


サバティカル休暇(sabbatical leave)は学者などに

勤続6年の後まる1年休んで研究に専念する権利を与えるもので、
6年の耕作のあと7年目を安息年として土地を休ませること*

と定めた聖書に起源をもつ制度だそうです。


休耕しないと土地が疲弊するのと同様に

日々のルーティン作業から意識的に離れないと

脳力は涸れていくというロジックなのだと思います。


2年の在学中に最高の授業を受けたい学生の立場からすると

有名教授が冬ごもりしてしまうのはがっかりですが、

金融危機で世界が大きく変わり

アメリカも新政権で大きく舵を切ろうとしているこの時期に

昔の理論を教え続けるよりも、新しい理論を仕込むほうが

長い目で見たら有益に違いありません。



サバティカル休暇が必要なのは学者に限らないと思います。


「大学卒業と同時に入社して、いちど勤め出したら定年までノンストップ」

という正社員の時間の使い方は、

今後もっと魅力的に変わっていく可能性がありそうです。


①育児休暇

男性も含めて広く社会全体で育休をとり

人生のリセット期間としても活用するというのが

多くの国で、前向きに休むための第一歩のようです。


②Gap year制度

大学入学、就職、転職、結婚、退職などの人生の節目にあたり、

次のステージに移行する前に1年の休みをとって

放浪の旅、ボランティア、ワーキングホリデーなどを経験するもの。

イギリス発でオランダ、オーストラリア、カナダなどに普及。


日本の場合は大学4年間で経験するバイトや短期留学が

これにあたるともいえそうですが・・・。

中田英寿さんがサッカー引退後に世界を放浪していたのも

自主的Gap yearではないでしょうか。


また、実は日本人に負けず劣らず働き過ぎな人が多いアメリカでは

Teach For AmericaというNGOが「大学卒業後に2年間

公立学校でボランティアとして教えたあと就職しても遅くないのでは?」

といって教員を募るなど、これから普及しそうな気配を見せています。


Whartonの同級生も、物わかりのいい業界に就職する人が多いため

卒業後少なくとも3ヶ月は旅行などをしてから働き出す約束をしている人が大半です。


③Career break制度

これは、特に人生の一大イベントがなくてもとる長期休暇で

学者のサバティカルに近いものです。


イギリスでは、学者のみならず企業に勤めるサラリーマンの75%が

会社人生のどこかで半年から2年の長めの休暇をとるつもりでいるとのこと。


仕事を離れてじっくり考え、クリエイティブな一歩を踏み出す準備をする期間

という意味で、留学もこれに近い効果がありそうです。


アメリカでは「3年間仕事を離れると稼ぎが37%減少する」との研究結果もあって

普及に待ったがかかり、再就業支援とセットで考えるべき課題になっています。

転職する人が多いので、Gap yearで十分ということなのかもしれません。



これらの制度はさぼる制度ではなくて、やる気のある人が

長い目で見て生産性をあげ、よりハッピーに働くための制度です。


派遣などの新しい働き方を社会に組み込む努力をするのと同時に、

正社員ライフももっと柔軟で魅力的なものに変えていけたらいいなと思います。



* 旧約聖書レビ記25章 The Sabbath Year


1 The LORD said to Moses on Mount Sinai,
2 "Speak to the Israelites and say to them: 'When you enter the land I am going to give you, the land itself must observe a sabbath to the LORD.
3 For six years sow your fields, and for six years prune your vineyards and gather their crops.
4 But in the seventh year the land is to have a sabbath of rest, a sabbath to the LORD. Do not sow your fields or prune your vineyards.
5 Do not reap what grows of itself or harvest the grapes of your untended vines. The land is to have a year of rest.
6 Whatever the land yields during the sabbath year will be food for you—for yourself, your manservant and maidservant, and the hired worker and temporary resident who live among you,
7 as well as for your livestock and the wild animals in your land. Whatever the land produces may be eaten.

ぼたん雪が舞う寒空の下、本日からキャンパスに戻って参りました。


Wharton最終学期は単位をほとんど取り終わってヒマなので、

自主研究に時間を割こうと思っています。


8月に小学校からの親友が、9月に大学からの親友が結婚するので、

それを軸に過ごすことになりそうな2009年です。


それから、

私たち1980~81年生まれにとっては今年が高校卒業10周年のようです。

白百合学園51回生のみなさま、盛大に同窓会をしましょう★


留学が終わって帰国するのは5月末になる予定です。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。



私はいまカナダのウィスラーにスキーをしに来ています。


バンクーバーに着いた初日から降雪のため空港が閉鎖され、

予約していたシャトルバスは先月倒産したとかで待っておらず、

何かとハプニング続きの旅です。


常連さん達によると

バンクーバーでこの時期に雪が積もるほど降るのは珍しく、

ウィスラーも例年にない寒さだそうです。


わたしは北海道に行くたび秋でもゴールデンウィークでも

大雪が降って地元の人たちがびっくりする雪オンナなので、

もうそんなことでは驚きませんが・・・。


そういえば今年はラスベガスの砂漠でも雪が降ったそうです。


金融危機で温暖化対策どころでないアメリカでは、

「Global warming??」と問題の存在自体を疑問視する声があがっていますが、

ずいぶん昔に「地球温暖化」をやめて「気候変動」と呼ぶことになっているので

寒冷化しても残念ながら気候変動問題(Climate Change)なのでした。



国連事務総長も「2009年は気候変動の年にしたい」と表明しているとおり、

気候変動の次期枠組み(ポスト京都議定書)の交渉は

ここ1~2年が勝負とされています。


人類の(特にアメリカ人の?)生活を見れば、

これはサステイナブルじゃない、とても地球が持ちそうにない、

と思うのが素直な感情ではないでしょうか。


一方で、地球規模の問題を何でも飲み込むブラックホールのような

「気候変動問題」の科学的根拠については、

肯定する科学者も否定する科学者もいるのが現実です。


特に、現在の温室効果ガス(GHG)排出量を

どれほど減らせば問題ないのか、については

暗闇でダーツを投げているような感覚に近いかもしれません。


それでも、何かできることがあるならしようと始まったのが京都議定書で、

そんないい加減な合意で産業界を傷つけられない

といって脱退したのがアメリカ・オーストラリア、

部外者の顔をし続けたのが新興国です。


本当に気候変動が地球を滅ぼす大問題なら、

この京都議定書の対策のレベルは、はっきりいって全然足りません。

中国やインド、それを追いかける無数の途上国の成長に

強制的にストップをかけるような対策が必要になります。

それが、世界政府のない今の国際社会にできるかどうかが、

ほんとうの勝負です。


逆に、地球の大きなサイクルに

人間ごときが影響を与えられるはずがないのだとすると、

いま世界各地で進められている気候変動対策が

一部の先行した国や人にとって

新たな既得権益になりつつあることのほうが問題かもしれません。


とはいえ、世界中の多くの人がエコに敏感になり、

少しでも外部不経済をへらし、人類共有の財産を大切にしようとして

生活を見直すのは素晴らしいことなので、

私は気候変動というトレンドが好きです。


それに、私たちはいま未来にむけて

新たな秩序をつくりだす時期に生きていて、

その新秩序のもとでは日本は圧倒的に先進国である、というのも

夢があっていいですよね。