ウォートン校はKnowledge@Wharton という場で
経営に関する情報発信をしています。

最近の記事で、人気テレビ番組と連動して彼らが選んだ
過去30年間で世界を最も大きくかえたイノベーション
のランキングが掲載されていましたので、ご紹介します。

1.  インターネット
2.  パソコン
3.  携帯
4.  E-mail
5.  DNA鑑定、ヒトゲノム・マッピング
6.  MRI
7.  マイクロプロセッサ(CPU)
8.  光ファイバー
9.  オフィス系ソフト (word, excel)
10. ラパロ、ロボット・サージェリー
11. オープンソース (Linux, Wikipedia, Firefox)
12. 発光ダイオード
13. 液晶ディスプレイ
14. GPS
15. オンライン・ショッピング (amazon, eBay)
16. ファイル圧縮 (jpeg, mpeg, mp3)
17. マイクロ・ファイナンス (Grameen Bank)
18. 太陽光発電
19. 大規模風力発電タービン
20. SNS (MySpace, mixi)
21. グラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI)
22. デジカメ
23. ICタグ (Suica, Edy, EZ Pass)
24. 遺伝子組み替え植物
25. バイオ燃料
26. バーコード・スキャナー
27. ATM
28. ステント
29. フラッシュ・メモリ
30. エイズの抗レトロウイルス治療(ART)

※かっこ内の例は私が適宜足しました。

選考委員はイノベーションを単なる発明というより
<新しい成長・発展の機会をもたらす新しいもの。
  特に人類の課題を解決するようなもの。>
と定義したそうです。

Knowledge@Whartonは記事がけっこう充実していて
しかも見知った教授の声がポッドキャストで聞けるので
私はときどき最新記事をiPodで持ち歩いて聴いています。

聞きやすいゆっくりめの英語だし、聴いているうちに
経営の基礎知識とキーワードも一緒に覚えられると思うので
手軽に英語の勉強をしたい方にもお勧めです★

オバマ政権では、雇用対策がバイデン副大統領の仕事になりました。
その名も「中流階級の復活~Strong Middle Class~ 」タスクフォース。

失業がだれも他人ごとでなくなった今、
メディアを通して発信されている様々なメッセージをまとめてみると

1.失業したら、どんなに断られ続けても、就職活動をやめないでください。
  就職先が決まらないのは不況のせいで、あなたのせいではありません。

2.失業したひとを、当面、政府が雇います。

3.鉄道、電力、鉱業、林業も人手不足です。

4.むしろこれを機にトレーニングを受け直して、
  将来性のある「ホットな職業」に本格的に転職してみませんか。
  「10 Hottest Careers
  ------------------------------------
  1.ITシステム・アナリスト 予想成長率57%
  2.医師サポート業務           49%
  3.医療補助業務              60%
  4.医療ITエンジニア            47%
  5.ソフトウェア・エンジニア        46%
  6.リハビリ補助               46%
  7.フィットネス・トレーナー        45%
  8.データベース管理者          44%
  9.動物看護士               44%
  10.歯科衛生士              43%
  ------------------------------------
  2012年までの10年間でニーズがぐんぐん伸びそうな「ホットな職業」
  上位にはITや医療関係がずらり。

5.次こそは、不況の時も社員を大事にする優良企業を選びませんか。
  「100 Best Companies to Work For
  ------------------------------------
  1. NetApp
  2. Edward Jones
  3. Boston Consulting
  4. Google
  5. Wegmans
  6. Cisco
  7. Genentech
  8. Methodist Hospital
  9. Goldman Sachs
  10.Nugget Market
  ------------------------------------
  評価方法は若干疑問ではありますが。

これに、ビジネススクールでは

6.中国・インド・ドバイなどに海外展開してみませんか。
  どこも不況だけれども、新興市場を知っているというのは
  その後のキャリア戦略上は有効です。

7.いままであたためていたアイディアを形にして、起業してみませんか。
  市況が回復すれば投資もつくでしょう。

というのが加わる感じでしょうか。


バイデン副大統領率いるこの雇用対策タスクフォースは
第一回会合を2/27にフィラデルフィアで開催するそうです。

テーマはやっぱり「グリーン・ジョブ」。

新エネ送電網の敷設、太陽光パネルの製造、住宅・ビルの断熱工事など
環境関連の投資によってグリーン・カラーの雇用を生むことが
最大400万人を目指す雇用創出の柱なのです。

そして、労働者には柔軟に時代の流れにのって転職してもらう。
それがアメリカ流の労働観なのだと思います。

このところ、お料理と読書中心のゆったりとした日々を過ごしています。

生活に余裕があると、普段おろそかにしていることを
ちょっと丁寧にやってみる気になります。

先週は、Whartonの隠れたヒット作と言われるエクセル講習を受けてみました。
どうせ知ってることばかりだろうと高をくくっていたら、
あぁ・・・あのケースのときこの機能を知っていれば一瞬で解けたのに、とか
マウスを使わずにここまで格好よくできちゃうんだ、とか
ファンタジーの世界に足を踏み入れたようで、楽しくなってしまいました。


そして、ふと、エクセルの機能は料理のレシピに似ているなぁと思いました。

普段からレパートリーを広げておかないと
いざ使いたいときに思いつきすらしないところ、
一度試せば次回から格段にハードルが下がって使う気になるところ、など。

わたしは日頃からおいしそうなレシピを見つけたり考えついたりしては
ちょこちょこ蓄えるのが趣味なのですが、
そのほとんどは試したこともないまま眠っています。

お料理教室を紹介してくれた年下の友人が
先生から習ったレシピをかならず家ですぐ試してみていたのを、
真似できないなぁと思いながらいつも見ていました。

でも、分厚いレシピ・ブックだけもっていても
余った食材をみてレシピを思いつくわけでもなく、
出来上がるのに何分かかるか肌感覚でつかめないので、
ぜんぜん実用性がありません。

エクセル機能もおなじで、
便利なツールはファイルのなかに全部揃っているけれど
「こういう表を作りたい」「こういう分析がしたい」と思ったその瞬間に
ツールの存在に思い至らなければ実用性がなく、
手作業がふえたり、同級生に頼るはめになるわけです。


ただ、お料理のほうが断然たのしいのは
同じコマンドを入力してもアウトプットの質の差が歴然だし、
食べて喜んでくれるひとがいるからです。

というわけで、お出かけしない日はだいたい、
ぜんぶ目分量よ~とうそぶく母をつっついてコツを教わりながら
炒めたり、煮たり、焼いたり、蒸したり。
手料理でおもてなしする日を夢みて修行をしています。


ま、いろいろ理屈をつけてみましたが、要するに
わたしはエクセルで数字を操作するのは苦手だということでした。
米国エネルギー業界のCMメッセージが
「我々は環境のことを考えています」から
「我々は雇用を生み出しています」に変わりました。

正社員の大量解雇が当たり前だったアメリカでも
社会のいちばんの関心が失業になったことを、素早く反映しています。


だからというわけでもないのですが、
今学期は雇用問題についてレポートを一本書いてみようと思っています。

一般に、英米の企業が正社員の大量解雇をさっさと決め、国から救済され
かたや経営陣は巨額のボーナスを受け取りつづけるのに対し、
仏独や日本の企業は、給与カット、ワークシェアリング、配当カットその他
あらゆる工夫をこらして雇用をなるべく維持しようとする傾向があります。

日本や仏独でみられる派遣切りも、もとはといえば
不況のとき正社員を解雇したくないという切実な思いからでた対策でした。

このような差がなぜできるのかを
企業戦略および社会構造の面から分析してみたいと思っています。

株価や格付、従業員の士気や生産性、短期・長期の投資戦略などの
経営要素に対する経営陣の認識が異なるからか
(stakeholder vs. shareholder oriented)。

あるいは解雇の社会的コストが規制・政治的圧力といった形で
企業経済に内部化される程度が異なるからか。


同級生のGeorgesがチームを組んでくれることになって
彼は欧州自動車業界出身で知識が豊富なうえ
性格が几帳面で、熱意があり、文献調査も得意なので
なまけがちな私にはとても有り難い存在です。


4月までに教授が発表できる成果をまとめる
というのを当面の目標にして、がんばります。



What drives the firms’workforce reduction decisions?
- A comparative study between France, Germany, Japan and the US –

Introduction:

In the times of economic downturn, firms take several steps to match their production capacities to the reduced demand for their products. However, we empirically see different trends of corporate behaviour across countries like the US, France, Germany and Japan especially when it comes to major workforce reductions.
The 2008 financial crisis and the following global recession provide a unique situation where firms across countries and industries unilaterally face the somewhat same level of sharp decline in demand.
The main focus of this study is 1) to observe and analyse the different corporate behaviours toward major workforce reductions in different industries across countries, and 2) to highlight potential causes that would justify those differences.

Whartonで医療経営を勉強するにあたって、

業界用語なんて日本語でも分からない私は

FFS、DRG、と3文字の略語が飛び交う授業に

当初かなり苦労しました。


それでも卒業を控えて思うのは、

やっぱり本気で勉強してみてよかったなぁということです。


資本主義が機能する、すなわち、

市場メカニズムが効率的な資源配分につながるためには

いくつかの前提条件が満たされる必要があります。


①生産者・消費者がともに十分な情報をもち、

②全ての経済活動の影響が市価に反映され、

③取引されるものは私的な財で、

④供給が十分で競争的な市場が成立していて、

⑤人々は経済的利益を最大化するために行動する。


この前提条件がことごとく成立しないのが医療という市場で、

だから医療はビジネスとしても政策としても

奥深くて興味が尽きないのだと思います。


<医療市場の特殊性>


1.情報の非対称性(①なし)
医師のほうが患者より医療の専門知識を持っているので、需要が医師に誘発されたり、質がごまかされたりしやすい。出来高払いの診療報酬制度が過剰診療を助長する。
患者のほうが保険者より自分の健康状態について詳しいので、不健康なひとほど保険に入りたがる逆選択が生じる。


2.外部不経済(②なし)
伝染病にかかったり栄養失調になると、自己責任ではすまず、社会に大きな負担がかかる。
多くの患者は医療費を自己負担しきれないので、「患者」と「国民」の利害が対立する。


3.公共財(③なし)
治療という「財」には公共性があり、患者ごとの購買力やリスクを反映した価格設定をするのでは、社会的に不適切。


4.非競争的市場(④なし)
患者の需要が無限に近いのに対し、医師は免許で参入規制があり、医療費も国家予算で供給制約がかかっていて、需給のミスマッチが解消されない(MC<MB)。


5.非経済的利益(⑤なし)
病院は競争より地域連携が重要な場合が多い(救急車の受入など)。
医師は経済的動機よりも職業倫理や使命感で行動する場合が多い。
この医師のプロフェッショナリズムや独自の世界観がIT化の壁にもなる。


6.不確実性・多様性・複雑性
誰がどのくらい病気になるかという将来需要の予測は非常に困難。
医療に標準商品というのはなく、在庫もなく、常にJust in Timeで患者にあわせてカスタマイズしている状況。
医療の質も成果も、評価が非常に困難。
「市中病院というのはおそらく人類の歴史上最も複雑な組織である」とP. ドラッカーに言われるほど、システムが複雑。


7.医療保険は市場を破壊する
放っておくと、保険によって患者がコストを意識しなくなってモラルハザードが起こるか、保険者が低リスクの患者しか受け入れなくなって皆保険が崩れるので、それを避けるにはどうしても規制が必要。



ということで、規制緩和して病院やクリニックがもっと競争すれば

質も効率もアップしてハッピー♪というわけにはなかなかいかなくて、

その点は各国が揃って頭を悩ませているようです。


イギリスはサッチャー時代にinternal market制度といって

市場原理を使ってみて失敗して撤回した歴史がありますし、

市場原理にこだわり続けたアメリカの制度はめちゃくちゃで

オバマ政権の主要課題になっています。


でも、日本の医療も、改善できる点がまだまだあることも分かりました。


例えば、国民としては

メタボ対策をしっかりして未来の医療費抑制に協力する、

健康だからといって医療保険から抜けずリスクの平準化に協力する、など。


患者としては

軽い風邪で設備の整った大病院に駆け込んだりしないで

ちゃんと市販薬や地元のかかりつけ医を使い分ける、

医療は完璧な科学ではないのでリスクがあることも理解して治療に臨む、

いい病院の口コミをネットで共有する、など。


国全体としては

地域の医療ネットワークを再構築し

開業医と勤務医の格差を縮小し

病院への投資と経営を改善し

医師のサポート業務を充実させ

新薬審査を迅速化し・・・。


言うは易し、なのですが、やりがいはありそうです。