燃料価格高騰への抗議がとまりません。
トラック運転手、農家、漁師・・・弱い人たちが
まずはじめに悲鳴をあげています。
環境税の狙った価格効果が
奇しくも燃料価格が勝手に高騰する形で実現しているわけですが
私たちはそんな社会を目指したかったのでしょうか。
エネルギー・資源や食糧価格の高騰がこれほど不安をあおるのは、
解決の道筋が誰にも見えていないからではないでしょうか。
エコノミスト水野和夫氏が指摘するように、
金融経済と実物経済は貨幣交換方程式(Mv=pT)で結びついていて、
この10年で英米の金融資産が急激に膨張した当然の帰結として
今後は資源・食糧価格が跳ね上がるのであって、
これは単なるインフレではない可能性があるのです。
CNNでも、原油価格高騰の責任を生産国に押しつけて
サウジアラビアに増産を迫るのはお門違いだ、
というコメントが流れるようになりました。
人類はこれまで何度も奇跡を起こしてマルサスの人口論を乗り越えてきたし、
今後も技術革新によって幾何級数的に増加する人口を養う道を
模索し続けるのだと思います。
そういった人類の希望の光ともいえる技術には
世界中の国や投資ファンドが中長期的に投資する準備を進めています。
それと同時に、
「老いて減りゆく人口、限られた資源、低成長の経済・・・」といった
これまで克服すべきとされてきた悪条件のもとで皆が豊かに暮らす
そういう新しい社会を築く試みも、そろそろ始めてみるべきではないでしょうか。
日経ビジネス・オンラインに
「次のような見方もできるのではないだろうか。日本の携帯電話業界は独自の進化を遂げた“ガラパゴス”ではなく、世界の携帯電話業界がこれから進む道に実は“先適応”(せんてきおう)している-。」
と書いた記事がありました。
この先適応(pre-adaptation)が
携帯市場に限らず、時代を転換する新たな経済構造や
価値観・ライフスタイルの提案まで含めて
低成長の先進国である日本に期待される役割であり、
逆にそれを果たせなければ、グローバル社会において
日本が存在感を発揮し続けていくことは難しいのではないでしょうか。
気をつけたいのは、サステイナブルな社会というのは、
エコのために不便に耐える社会ではないということです。
日本人は不便でも我慢できるかもしれませんが、
そんな夢のない生活には世界がついてこられません。
日本人だけで解決できる問題などほとんどなくなりました。
視野を広くもって、普遍性のある粋な先適応をしてみせられたら、
きっと日本から世界は変わっていくような気がしています。
<英国オックスフォード大学にて>