お客様の家の訪問のあと 
ジムに行くことにした

ジムへ行くのが
楽しくないので

無理矢理行くと決めて
行かなければ
おサボりをしてしまいます

なんで楽しくないか?
昔みたいに
体が柔らかくなく
しかも
体力なく
何をするにも
いちいち疲れるからです

もう少し軌道に乗るまでの
辛抱と思っています

ジムで一番好きなのは
スチームサウナ

人が少ない時は
サウナの席に座らず
寝る形になってる人が多く

私も空いてる時は
そうしています

痛みのある肩や
全身が温められ
とても気持ちいいです

岩盤浴みたいな感じ

あとから入ってきた
隣に横たわった男性から
(隣と言っても
ベンチ一つ分の座席の通路あり)

なにか話しかけられた

しかし
あまりにも小さい声で
モゴモゴ
何を言ってるかわからず

私困惑する

普通、サウナで寝っ転がって
誰かと話せる体制でない人に
話しかけてくるかよ

とイラッとした

でもその男は
何か伝えたいみたいで

何度も繰り返すので


あなたの言ってること
わかりません



と返事をすると


モゴモゴ言っていた感じが
少しクリアになって
それでも
小声だったんですけど
やっとわかった



My name is Paul


と聞き取れました


なあーんだ

名前、伝えたかったんだ

ちらっと見ると
赤い海パンを履いていた
(それも珍しいな、男性は紺または黒が多いから)


わりー。わりー。


しかも

My name is

が聞き取れなかった
ちょっと自分に動揺した私


咄嗟に
私も自分の本名じゃなく
ニックネームで
自己紹介してしまった


しかしその男の
怪しい笑みが引っかかった
(多分ニコニコしてるんだと思うけど)

もしかしたら
面倒なことになるのも
嫌だわなぁ

え?
しまった!

なんで自分の自己紹介
ニックネームだけど
しちゃったんだ、私

ヤバイ、ヤバイ

これ以上
話し掛けられても困るので

視線を天井に向け
寝たフリをしました


そして
ポールと名乗る男が
サウナを出るまで
サウナに滞在しました


私のようなアジア人に
声をかけてくる人は
珍しいなあ

特にジムには
中国人でさえいないから
私は浮いてるのか


サウナを出ると
その赤い海パンのポールは
プールに入っておいでで
泳いでいたふうでもなく
プールで歩いていたのか
わからないけど

また怪しく
微笑みかけてきたので

あらあら面倒と思い

そそくさと
シャワールームに
消えた私でした