陰圧の機械が外れて、
高低差のある胸を感じたとき、
改めて、ヒダリーいなくなっちゃったんだな
片胸になってしまったんだと。
もともと代々巨乳の家系で、小学生から急激に育ってしまったから、当時は水泳も学校代表で、胸があるのはあんまり、嬉しくなかった。
中学の頃はもう既にかなり、大きくて
かわいいブラとかもなくて、スポーツブラに憧れた。塾で、胸をすごくからかわれてとても悲しかった。
大人になってからは、流行りのカッコが、私だけなぜか、エロくなったり、授乳服にみえてしまって。より太ってみえるのが嫌だなと思ったりもした。
胸って自分のためにあるものではないよなと、常々思っていたし、小さい人は盛ることができるけどなって思っていた。
髪を洗ってもらうために、理容室へ行く、それだけだけど、一階のコンビニで買ったサイズの1番大きな前開きブラをしてみたものの、1番大きなブラですら、ミギーを受け止めきれず。
ヒダリーがいるように見せるのも難しくて。
私服に着替えて、高低差のある胸のまま、頭にを洗ってもらって、そのまま、普通の人のフリして一階のカフェでお茶をした。
私自身にとっては、とてもスリリングでイケナイことをしてる感覚なんだけど、
誰も私の胸の高さなんて気にしてないし、なんなら、黄色い入院患者のブレスレットにすら気がついてないし。
ここで、ものすごく痛みに耐えながら、平気なフリしてお茶してても、だれにもわからないものだよな
そして、ここにいる人たちは、何らかの形でがんに関わっているわけで。
そして、洋服を着てみると、
胸がない方が、当たり前だけどスッキリ痩せてみえた。
もちろん、だからといって、ミギーまでなくしたいとは思わないし、こんなに痛くて辛い思いはもう2度としたくないけど。
喪失感とか、悲しい気持ちは、今のところほとんどなくて、
胸で挟んで窒息させたりすること、できないんだなーって、そのくらい。
病院では大きな姿見がないからかな。
ハダカの全体見たら、また気持ちは変わるんだろうか。