同室のかたがたのこと


初日、部屋に入った途端に、トイレで大きな音させて、出ていらした、リゾートのようなワンピのおばさまに、目が、点·······

すごく可愛らしいお声のかたなのだけど、とにかく、動く時の音が大きくて、そして、眠れないから、眠剤をと頼んでるわりに、昼間ものすごいイビキかいて寝てらっしゃるし、朝3時半には起き出して、顔洗い始めるし。床に座ってなにかしてるし。。。

ちょっと、お友達にはなれなかったし、退院の日を指折り数えて息を潜めていた。


緊急入院されてきたおばさま、とにかく声が大きくて、扉を開けしめする音も大きくて、リゾートワンピのかたへの対抗心なのか、こちらも朝4時くらいから顔を洗い始めて、とにかくうるさくてつらかった。。。


同じくらいの年代の方がようやく!とお声を聞いて思っていたけれど、他のおばさまがたと親睦を深めるつもりはないので、テレパシーを送っていた。漏れ聞こえてきた話しだと、私と同じような手術!!なかまーーー!!!おばさまたちが退院したとたんに、ナンパして、お話するように。手術の方法も同じで、手術もほぼ同時期で、ついてる機械も同じ、すごく励まされた。私のほうが先に機械もドレーンも抜けたけれど、退院は彼女のほうが先だった。早くお家に帰りたいってずっと言ってたから、嬉しかった。でも、とてもさみしくなった。


小柄なおばあちゃま。とっても上品で女性らしくて、美しい日本語を話す彼女は、いわゆる下町の生まれの江戸っ子で。お話していて、その人のいいところだけをみている、とても素敵な方だった。あんなに小さな身体なのに、イビキだけは大きかった!(笑)


そして、強烈だった、飴ばあ。

入院してきたとたんに、自己紹介してくれた。絶対に遅刻しちゃいけない検査忘れてて、しかも、看護師さんもカルテを鍵かけたバッグを渡さなきゃいけないのに、忘れてた!!!慌ててナースコールして、持ってきてもらって、検査に送り出した。

翌朝、彼女の手術当日、7時頃、普段は絶対に動揺しない、ほんとのプロってこういうことなんだなと尊敬していた看護師さんが、物凄く動揺して怒り出した!

「飴たべてませんか?飴食べちゃダメなんですよ!ほかに口にしたものはないですか?昨日の夜は??」

「いや、これだけ。ちょっとだよ。朝起きて、喉がアレだったから」

アレだったからってなに?!(笑)

カーテン越しに聞こえてきた会話に驚きつつも、ごめんなさいだけど、笑ってしまった。でも、よくよく考えると、とてもこわいこと。命に関わるかもしれない。


その後、色々、本当にいろいろあった。お世話係を私は、楽しんでいた。


そして、彼女の退院の日。ボックスティッシュの残りを取りなさいって、くれようとして、箱ごとよこしたら、なんと、食べかけの飴がついてた!!!!(笑)

飴食べてたら朝ごはんきたから、そこに置いておいたんだって(笑)

もう、最後まで飴ばあは飴ばあだった(笑)


あと、もう1人とっても強烈だったのは

怪獣クラスのイビキで

耳栓してもそれを上回る音

そして、丑三つ時に突然、叫び声が!!!

看護師さんも騒然として、何回も大丈夫??と。。。そのあとも、叫び声は、スケールは小さいものの続いて、寝れたもんじゃなかった。

寝てる間のことだから、仕方ない。


入院が長かったから、ほかにもご一緒させて頂いた方はいらっしゃる。


本当に、一期一会。

あの空間で、痛みと辛さ、気持ちを共有しあえた。連絡先を交換した人もいれば、全くしなかった人。


多分、待合室で一緒になっても気付けないこともあるかもしれない。

でも、あのときあの空間、一緒にみた、夕焼けのスカイツリーや、朝焼けのスカイツリーは、本当にきれいだったよね。