地球の運行の都合で、今年は一日早く春がやってきましたね。

 

 あえてスケール大きく言ってみます(笑)。

 

 言うても、今年はなかなかきちんと冬してます(笑)。ここ数年、私の住む地域は、たいして雪も降らなかったので、今年はこたえます。

 

 もう雪とかいらんのです。

(豪雪地帯にお住まいの皆様、こんなへたれですいません)

 

きみがため 春の野に出でて 若菜摘む 

わが衣手に 雪は降りつつ

光孝天皇

(箱庭的 春)

~意味~

 

 あなたの為に、野に出て私の衣の袖に、雪がしきりにふりかかる事よ

 

 皇太子時代に、誰かに若菜を贈った時に添えた歌だそうです。まぁ、見たまんまですわな。でも、皇子自ら賜るのですから、そのお相手がすんごく気になります。

 

 ですが、この光孝天皇、なかなかの苦労人であらせられまして、即位されたのが、なんと五十五歳。いっきにお相手の幅も広がってしまいます(笑)。

 

 さて、この若菜。セリとかナズナなんかの早春の野草の事で、これらを食すると、邪気を払って病を遠ざけると考えられていました。七草粥は、その名残なんだそうです。

(スズランは食うたらいかん!)

 

で、ちょこっとナズナのお話。

 

 ナズナって、春から秋まで、切れ目なく発芽するのだそうです。そうやって発芽時期をずらすことで、地面を耕されたり、除草剤を撒かれたりしても、種が途絶えないようにしているのだそうです。つまり、ナズナが生えているている地面の下には、かなりの量の種子があるみたいです。

 

 そして、冬。種子以外の形で越冬する場合、ナズナは放射状に重ねた葉を地面に張り付かせ、寒風をやり過ごします。しかも、葉は広げていますから、きちんと光合成も行っているのです。その養分を根に蓄え、春を待つのだそうです。

 

 冬でも懸命に綠を保つ、その生命力が邪気を払うと考えられたんでしょうね。

 

 そうか! 外に出ないで 日光に当たらないから―

 

 私の根っこは腐ってるのね(笑)。

                 

(参考文献)

「百人一首(全)」谷智子 編 角川文庫

「身近な雑草の愉快な生きかた」 稲垣栄洋 三上修 画 ちくま文庫