私の島では一応、メインとサブのキャラクターで役割分担をしております。メインキャラは、図鑑やレシピを埋める係。あと、島の各種工事も担当しています。


 対してサブキャラの方は、一番のお仕事はヴィジュアル担当。他にキャンプサイトのお客様への対応(勧誘含む)と、花の水やりです。あくまでサポートなので、島の住民とは会話をしないこともあります。

 

 しかし、そんなサブキャラも、最近、住民の内の2名からあだ名で呼んで貰えるようになりました。

 

(最古参の住民であるアネッサ。有り難う姉貴!)

 

(そして、私のお気に入りのちとせからも)

 

それはさておき、住民との会話において、パターンが少ないのは、少し寂しいですよね。

まぁ、ゲームだからと、割り切るのが正解なんですが(当たり前です)、ここは少し視点を変えまして―

 

 毎回のお決まりの会話でも『君たち住民となら、楽しいぜぇ。』 と考えてみることにします。何てことのない、幸せを噛みしめようじゃありませんか。普通が一番幸せなんです。

 

 お決まり、お約束、定型。

 

 良いじゃないですか! 『偉大なるマンネリズム』 私は好きです。

 

 予定調和、望むところです。

 

 始ってすぐに、「ああ、あのパターンのヤツね!」てなる。

 

 安心します!

 

 

 そんな“あるパターン”で始るお噺。

 

『ご隠居、どうも、こんちわ』

「なんだい熊さん、久しぶりだね。さあさ、お上がりよ」

『実は、今日はご隠居に教えて貰いてぇ事がありまして』

「良い心がけだね、年長者の話は聞いとくもんだ。で、どうしたんだい』

 

 主人公(熊さんなんか)が、横町のご隠居を訪ねてくる、王道の出だし。

 

 その熊さんは、娘に百人一首の歌の意味を教えて欲しいとせがまれて、ホウホウの体で逃げてきた所。そして、ここから、年長者の手前、知らぬとは言えないご隠居の、知ったかぶりの法螺話。

 

「馬鹿な事を言うんじゃない。知らないハズがないだろう。なんて歌だい(強気)」

『ちはやふる~とか言うヤツでさ』

「それなら、ちはやぶる、神代も聞かず、竜田川、からくれないに、水くぐるとは というやつだ‥‥‥ええっと、意味はなぁ(脳みそフル回転中)」

『あれ、やっぱりご隠居、知らないんじゃ‥‥』

「そんな事はない‥‥‥(💡)お前さん、この竜田川ってなんの事かわかるかい?」

『そりゃ、どっかの川でしょうよ』

「そこが、素人なんだよ。これは江戸時代の相撲取りの名前なんだ。大関・竜田川ってのがいたんだよ」

 ここからご隠居は、大関まで出世した竜田川が、吉原の花魁・千早太夫(ちはやだゆう)にけんもほろろに振られ、その妹分の遊女・神代(かみよ)にも振られ、ショックで関取を辞めて田舎へ引っ込んでしまったという法螺話を展開します。

「それから、家業の豆腐屋を継いで10年。そこへ女の乞食がふらりとやって来て、卯の花(おから)を分けて欲しいと言うんだ」

『可哀想なもんだ、やりゃぁ良いじゃないですか。豆腐屋なんて、おからは山ほどあるんだし』

「ところが、その女乞食こそ、病を患い落ちぶれた千早太夫その人だったんだ」

『!!』

「そこで、竜田川は千早太夫を責め立てた。勿論、おからもあげない」

『そりゃそうだ』

「千早太夫は、昔の事を詫びると、豆腐屋の前にあった大きな井戸へ飛び込んじまったんだ」

 驚愕の展開と唐突な幕切れ(まぁ、即興の法螺話ですからね)。そしてご隠居が、自信たっぷりに締めくくります。

「いいかい、竜田川が、千早に振られて“千早振る”だ。そして妹分の神代も話を聞いてくれないから“神代も聞かず”だろ、そして、おからをあげないのだから“からくれない”だ。そして最後に、千早太夫が井戸へ身を投げるから“水くぐる”だ」

『なるほどねぇ、さすがご隠居。で、最後の“とは”ってのは何なんです?』

 

「!? ‥‥‥‥“とは”ってのは千早の本名だ」

 

「千早振る」  (参考文献 落語百選 冬 麻生芳伸 編 ちくま文庫)

 ご隠居の知ったかぶりパターンの噺は他にも沢山あります。

 

 でも、我々も、ついついやっちゃいますよね、知ったかぶり。

 

 私なんか、寄席へ行った事もなければ、生で見たこともありません。本とCDとテレビだけで、落語の事を色々書いてます。

 

 これ以上の知ったかぶりはありません(笑)。