告発・電磁波公害 | SUEのブログ

告発・電磁波公害






「告発・電磁波公害」/松本健造  緑風出版


まえがき - 「ゆでがえる」になるまえに

第1章 現場からの報告 その一 (超低周波編)
 ○瀟洒なマンションに潜む恐怖 階下の電気室で記憶障害
 ○送電線下からの脱出 自宅を引っ張る
 ○白血病から生還した少年、高圧送電線下で
 ○配電線の下で、電磁波過敏症になった一家

第2章 現場からの報告 その二 (電磁波過敏症)
 ○電磁波過敏症と闘う、前橋の主婦の場合
 ○携帯電話の中継基地局の恐怖、伊那市の塩田さん一家を襲った異変
   ★巨大化したタンポポ
 ○携帯電話タワーの恐怖、電磁波シールドの家を建設した一家
   ★植物に異変が
   ★「電磁波難民」
 ○電車に乗れない人々、車内に電磁波が充満
   ★車内で増幅される電磁波
   ★歯のアマルガムで電磁波過敏症に

第3章 現場からの報告 その三 (労働現場)
 ○のろわれた図書館、盗難防止装置で体調不良が続発
 ○電磁波で初の労災申請、鈴木さんの場合
   ★電磁波研究で病気に
 ○職場の電磁波、100ミリガウスを超す電磁波に包まれたオフィス
   ★慢性疲労症候群
   ★オフィスの悲劇
 ○過酷な労働現場の電磁波問題、棚上げされた実態報告書
   ★明らかになった労働現場の過酷な実態
   ★報告書を棚上げに

第4章 空白の25年、日本初の疫学調査の光と影
 ○国内初の小児白血病の疫学調査の波紋、最低評価の影響
   ★最低評価で研究打ち切りに
   ★最低の評価の影響
 ○日本の疫学調査の抹殺はなぜ起きたのか、その第一幕
   ★研究つぶし
   ★文部省担当者が勝手に書いた「評価結果報告書」
 ○日本の疫学調査の抹殺はなぜ起きたのか、その第二幕
   ★文科省の評価書はどのように作られたのか
   ★「あの研究は絶対に認めない」
 ○国際雑誌に掲載、再び高い評価
   ★国際的なガン専門誌が高い評価
   ★小児脳腫瘍の研究にも打撃
 ○「くさいものにふた」の文科省、雑誌つぶしの前歴

第5章 疫学調査とは何か、欧米と日本の違い
 ○疫学重視のイギリス、官民一体で送電線対策
   ★送電線から両側60メートルの住宅や学校などの新築禁止
   ★九州での疫学調査でもリスク確認
 ○わが国初の疫学調査、明治の陸海軍の脚気論争
   ★陸軍は脚気で多数の戦死者
 ○水俣病の疫学調査の挫折とその教訓
   ★熊大の疫学調査で原因を特定
   ★無視された疫学調査
 ○疫学調査の勝利、スモン病の場合
 ○使われない伝家の宝刀、労働安全衛生法の疫学調査の規定
   ★国は職権で疫学調査ができる
   ★EUの電磁波指令

第6章 電磁波から自衛へ
 ○呪われた町で闘う、群馬県館林市の住民グループ
   ★低い鉄塔の周りで異変が
   ★住民の要望で鉄塔建て替え
 ○三つ編みの電線で磁界を大幅カット、藤沢市の会社員の場合
   ★「ケーブルの三つ編み化」で電磁波は劇的に低減するが・・・

 ○屋内配線の恐怖、マンションの床下や天井から強力な電磁波
   ★三路スイッチの落とし穴
   ★規制なく野放しの屋内配線

 ○電磁波カットの電気製品開発に新しい動き
   ★電磁波カットの電気毛布
   ★欧米で電磁波カットが電気製品の性能の新基準に

 ○電磁波対策、送電線にも三つ編みが登場
   ★三つ編みの高圧送電線
   ★地中化より効果が

第7章 予防原則へ向けて
 ○ワルトハイマー論文の衝撃から28年、WHOが予防原則を勧告
   ★電磁波のWHO新環境保険基準
   ★ワルトハイマーの先駆的研究
   ★予防原則による対策が始まる
 ○WHOも認めた日本の疫学調査、新基準で詳細に紹介
   ★WHOの新環境保険基準に影響を与えた日本の疫学調査
   ★WHOの評価
 ○メラトニンと電磁波、WHOの新基準で「不都合な真実」が
  明らかに
   ★乳ガン促進のメラトニン仮説を立証した石堂研究員
   ★封印された電力中央研究所のヒヒの研究

資料 「電磁波を規制するWHOの新環境保健基準」(EHC二三八)
    の要約部分


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科学的に電磁波が危険であると100%の因果関係が証明されている
わけではありません。
しかし、海外や日本で行われた疫学調査(データを取って、物事の
因果関係を調べる調査、タバコと肺がんの関係などが知られている)
では、電磁波について危険な可能性があるとのデータが取れています。
欧米では、これを重要視して規制値を儲けていますが、
日本では疫学調査を重要視しない傾向があります。
この本では、前半で、電磁波による被害者の実例を取り上げて、
後半には、日本が行った疫学調査、通称「兜報告書」について 取り上げ
ています。
兜グループの研究により、「電磁波が危険な存在である」という結果が
でそうになるや、文科省がそれをつぶしにかかり、 研究結果オールCと
いう、最低の評価を押し付けて、 それ以降の研究をさせないように
しました。
しかし、この「兜報告書」は海外で高い評価を受けるという皮肉な結果
を招くことになりました。
また、日本が疫学調査を無視したがために、大量の被害者を出した
「水俣病」や戦時中の「脚気」についても触れています。
非常に良く調査してあり、「電磁波」だけでなく「疫学調査」に ついても詳しく書かれている本だと思います。






一部 抜粋します。
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だが、この「中枢神経系への影響」を認めた報告書の結論は伏せられ、
逆に、影響が無かったとする説明が対外的に行われた。
その一例が、報告書から2年後の1995年3月18日に放映された
テレビ朝日の番組「検証、高圧送電線の電磁波 人体の影響は」だ。
国内で初めて本格的に電磁波問題を取り上げた番組で、大きな反響を
呼んだ。
だが、その中で、電力中央研究所の笹野隆生氏(研究開発部推進室)
は、この実験を紹介し、「ヒヒに電界や磁界をかけて社会行動や学習
行動に変化がないかを調べたが、結果は、変化は全く見られなかった」
と断言した。
これと同じ説明はその後も、各電力会社のパンフレットなどで掲載
され、電磁波の安全性の説明に使われてきた。

この電力中央研究所の報告書は、実は、一連の実験が終了して米国側
(サウスウエスト研究所)が提出した論文などをもとに、作成された
ものだ。
電力中央研究所の研究者は当時の経緯について、こう説明する。
「米国の研究者(ロジャース博士)が、論文を持ってきた。
メラトニンが減った論文も含まれていたが、電力中央研究所の責任者が
受け取らなかった。」
つまり、「メラトニンに影響が出た」論文は無視し、「メラトニンに
影響が出なかった」論文だけを使い、日本側の報告書が作成された。

結局、ロジャース博士らは、実験終了から3年後の1995年、日本側
の研究者の名前を入れず、単独でこれらの論文を学会誌「バイオエクス
トロマグネティクス」の特別号で公表した。
そして、この論文が、今回のWHOの評価につながった。


※その実験では、電磁波を浴びせるとガンを抑制する作用のある
メラトニンの減少が認められています。