昨年の第71回紅白歌合戦でも歌われた40年前の名曲!

 

【1981年リリース】

 前回紹介した映画『さよならジュピター』の主題歌より3年ほど前、薬師丸ひろ子さん主演映画『ねらわれた学園』の主題歌として作られた歌です。

 

 その頃の松任谷由実さんはヒット曲に恵まれておらず、この曲が後の快進撃のきっかけになったようです。

 

 

 

 昨年の紅白歌合戦では、タキシード姿のユーミンと、「ナインティナイン」岡村隆史さん、「爆笑問題」田中裕二さん、出川哲朗さんとのダンスが強烈すぎて、この曲が歌われていたことを全く忘れていました(笑)。

 

 

【歌詞の宇宙】

 男性が女性を「守る」と言うのが世の風潮だった時代、女性が男性に「守ってあげたい」と言うのは珍しかったかもしれません。

 

  女性がこの言葉を発する時、そこにとても母性愛を感じます。

 

 そういえば、以前取り上げた岩崎宏美さんの『マドンナたちのララバイ』に「あなたを守りたいのです」という歌詞がありました。この場合、「できるのなら生まれ変わり あなたの母になって・・・」という仮定があり、まさに母として「あなたを守りたい」と歌っていました。

 

 この曲ではどうでしょう。

 

 

『守ってあげたい』 歌:松任谷由実

作詞:松任谷由実

作曲:松任谷由実

 

You don't have to worry. worry

守ってあげたい

あなたを苦しめる全てのことから

 

初めて言葉を交わした日の

その瞳を忘れないで

いいかげんだった私のこと

包むように輝いてた

 

遠い夏息をころしトンボを採った

もう一度あんな気持ちで夢をつかまえてね

So you don't have to worry. worry

守ってあげたい

あなたを苦しめる全てのことから

'Cause I love you 'Cause I love you.

 

このごろ沈んで見えるけれど

こっちまでブルーになる

会えないときにもあなたのこと

胸に抱いて歩いている

 

日暮れまで土手にすわりレンゲを編んだ

もう一度あんな気持ちで夢を形にして

So you don't have to worry. worry

守ってあげたい

他には何ひとつできなくてもいい

'Cause I love you 'Cause I love you.

 

So you don't have to worry worry

守ってあげたい

あなたを苦しめる全てのことから

'Cause I love you 守ってあげたい

 

松任谷由実 守ってあげたい 歌詞 - 歌ネット (uta-net.com)

 

「遠い夏 息をころしトンボを採った」

「日暮れまで 土手にすわりレンゲを編んだ」

そんな思い出からこの曲の主人公は、愛する「あなた」と幼馴染みであることをうかがわせます。

 

「初めて言葉を交わした日のその瞳を忘れないで」

幼い頃を知っているからこそ、そして今もそんな少年時代のままでいてほしいからこそ、ともすればお姉さん目線から素直な気持ちで「守ってあげたい」と言えるのかもしれません。

 

今ではこのような条件や母性愛などに関係なく、普通に女性が男性を「守りたい」と言っても全く違和感がありません。ずいぶん時代が変わったなぁと思います。

 

 さて、この歌詞で印象的なのは、

「トンボを採った」「レンゲを編んだ」時のように

「夢」「捕まえて」「形にして」と願っているところ。

 

 そして、

「So you don't have to worry .worry」(心配しないで)と続くのですが、最後に

 

「守ってあげたい

 あなたを苦しめる全てのことから」

と、倒置法を使っている部分がとても利いていて英語的な配列になっています。

 

さらにその後に理由を述べてしめくくる。

「'Cause I love you」

 

メロディーも最高。とってもおしゃれで素敵な歌だなぁと思います。

 

日暮れまで土手にすわり・・・。   京都