感動!『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』のクライマックスに挿入された37年前の歌!
【1984年リリース】
小松左京さん原作・総監督・脚本のSF映画『さよならジュピター』の主題歌として書き下ろされた松任谷由実さん 20枚目のシングルです。
今年上映された『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』で綾波レイ(ゆい)役の林原めぐみさんが歌うこの曲が流れた時、驚きや感動とともに、何故だか一瞬で、この場面にこれ以上合う曲はないだろうなと感じた自分がいました。
歌詞の内容が、ともすれば当時の『さよならジュピター』の内容以上に、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の内容に合い過ぎている。このことはネットでも話題になっているようです。
この歌は当時、日本の特撮映画の威信をかけたSF超大作の代名詞的な歌でしたし、なんといっても歌そのものが素敵でした。
【歌詞の宇宙】
『VOYAGER〜日付のない墓標』 歌:松任谷由実
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
傷ついた友達さえ
置き去りにできるソルジャー
あなたの苦しさを私だけに
つたえていってほしい
忘れない 自分のためだけに
生きられなかった淋しいひと
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
冷たい夢に乗り込んで
宇宙(おおぞぞら)に消えるヴォイジャー
いつでも人々を変えるものに
人々は気づかない
行く先はどれくらい遠いの
もう二度と戻れないの
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから
「ソルジャー」は、主人公 碇シンジをはじめとするエヴァンゲリオンパイロットのことだとか、「人々を変えるもの」が人類補完計画のことだとか、言いたいことはいろいろありますが・・・。
ここでは主に昭和の歌を紹介しているので『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』として歌詞を解釈することはよしておきます。
歌ネット
https://www.uta-net.com/song/6220/
VOYAGERは、旅人、渡航者などの意味がありますが、1977年NASAボイジャー計画による2機の無人惑星探査機の名前でもあります。
木星はもとより、土星の観測で鮮明な輪を観測し、1980年当時NASAから公開された画像の美しさに大変感動したことを覚えています。
ボイジャー1号、2号は、歴史的にまれにみる惑星配列のタイミングを見計らって打ち上げられ、現在は両機ともに太陽系の外へ出ているそうですが、もしこのタイミングで衛星や惑星の重力を使わなければ木星に到達するのがやっとだったそうです。※1
※1 Wikipedia
「自分のためだけに
生きられなかった淋しいひと」
ここでは愛する戦士(ソルジャー)のことを指していますが、一たび戦争が始まってしまえば、兵士は命令に従って運命をあずけることになる。平和についても考えさせられる歌詞です。
「冷たい夢に乗り込んで
宇宙(おおぞら)に消えるヴォイジャー」
『さよならジュピター』という木星をテーマにした映画と、惑星探査機の名前をかけた渡航者(旅人)が、帰還できる見込みのない使命に向かう。
「冷たい夢」は、一方で人類を救うための誉れでもあります。
「私があなたと知り合えたことを
私があなたを愛してたことを
死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから」
出会いと永遠の別れ、そして人生の終焉と生きた証。
そして、誇れるものが愛する人と過ごした時間であるとしたら、人生はそれだけで生きていた価値があるのかもしれません。
『エヴァンゲリオン』の庵野英明監督が37年前に「いいなぁ」と思ったというこの曲を、大切に育んできた映画の最も重要な場面に使ったこと。
このことは、当時同じように感じた自分たちに世代だけでなく、さらに新しい世代に新しい感動を伝えていくことにもなりました。
それに比べるとあまりに微力な自分ですが、これからも素敵な歌だったなと思った歌を引き続き紹介していけたらなと思っています。
映画『さよならジュピター』では、木星太陽化計画なるものが進行していました。
どことなく木星の模様を思わせる夕陽 パタヤ タイ