初めて教科書に載ったJポップス!? 誰もが知っている名曲。

 

【1971年リリース】

 

『翼をください』赤い鳥解散コンサートバージョンはちょっと衝撃的!?

 

 

『翼をください』はもともとシングル「竹田の子守唄」のB面としてリリースされた曲でした。しかも、赤い鳥のレコーディングの2時間前に初めて提供されたとのことです。

 

 それが教科書に掲載されたのが1970年代後半。僕も中学の合唱コンクールの課題曲として歌った記憶がありますが、まだ間もない頃だったようです。※1

 

 赤い鳥解散の後、メンバーで結成された紙風船とハイ・ファイ・セットに歌い継がれ、教育の場で全国の子供たちに歌い継がれる。たった2時間でレコーディングした歌が、50年後にもこうして歌われ続けているなんて誰が想像できたでしょう。

 

 動画では自分たちが歌ってきたような曲調ではなく、かなりポップで歌詞も違うバージョンが演奏されていて興味深いです。

 

歌ネット

https://www.uta-net.com/song/482/

 

※1 OTONANO

「翼をください」を作った男たち

https://www.110107.com/s/oto/page/tsubasa?ima=0000&oto=ROBO004

 

【歌詞の宇宙】

 もはやこの歌の歌詞について論ずる必要はないでしょう。

 翼が欲しい理由はいろいろと考えられますが、空を「悲しみのない自由な空」として表現しているとことがポイントです。

 

 この曲を教科書に採用して教育芸術社のサイトでは、『翼をください』の歌い方と演奏の仕方を合唱指揮者の野本立人さんが、以下のようなアドバイスをされています。

 

「前半と後半で大きく曲想が変わるので、そのことをしっかり捉えて、前半の「まだ翼がないから欲しい」という“願い”の部分と、「翼がもう手に入った」という羽ばたいている時間とのコントラストを強く出して演奏してもらいたい」

 

また、「常に希望に満ち溢れて歌ってほしい」と言われています。※2

 

 さて、紙風船のお二人を取材した動画を視てみると、阪神大震災以後、「哀しみのない自由な空」の意味が全く変わってしまったそうです。

 

 その空は「死後の世界」。その時この曲は鎮魂歌になったそうです。そして、残されたものは精一杯生きること。それがこの曲の本当の意味だと言います。

 

 そんな意味を感じながら、今一度この曲を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 こちらは山本潤子さんの『翼をください』(オリジナル歌詞)

 

サムトラケのニケ  ルーブル美術館  フランス