当時でもかなりの物議を醸しだしましたが、今なら即炎上ですよね。

 

【1979年リリース】

作詞:さだまさし

作曲:さだまさし

 

 前回に続きウェディング関連の歌(ウェディングソング?)を取り上げてみました。

 さだまさしさん最大のヒット曲で、レコードは160万枚を売り上げたそうです。

 

 夫が関白のように家庭内で絶大な支配権を持ち、いばっているさまを「亭主関白」と言います。封建主義の時代から続くそんな男尊女卑の考え方が、昭和にはまだ強く残っていました。

 

 男女平等が強く言われるようになる中、時代に逆行し、亭主関白を支持するかのようなこの「関白宣言」は、子供ながらにもびっくりさせられたタイトルでした。

 

 

 

 

 

【歌詞の宇宙】

 さだまさしさんがこの曲を歌うと必ず手拍子が起こります。しかも、手拍子しているのは女性の方がはるかに多く、「関白宣言」は意外にも、女性を始め、性別年代を超えて幅広く受け入れられたのでした。

 

 確かに、冒頭の寝起きや料理にまつわる話、「黙ってオレに付いてこい」といった言葉はたしかに亭主関白のそれですが、その後に言っていることは至極まっとうなことで、二人で良い家庭を築いていくための方針だったりします。

 

 そして、結婚もまだこれからというのに、関白の命令口調は、二人の老後、臨終間際の話にまで至ります。その内容は実際にはできるかどうかなんてわからないお互いの死ぬ日のことだったり…。

 

 と、ここまでくると、全ての話を通じてまさに「できる範囲でかまわないから」ということになる。そこにこの主人公の強い口調の裏に見えてくるやさしさや、人生をかけて二人で幸せになろうというメッセージがひしひしと伝わってくるのです。

 

 そして最後のラララが始まると、「関白宣言」は思ったほどに関白亭主じゃなさそうな感じになって、必ずや幸せになれるような気持ちになって歌が締めくくられます。

 

 ライブでは、このラララのテンポが徐々に、そして限界まで速くなっていき…。

 

 さて、この「関白宣言」は、続編「関白失脚」へとつづくのですが、それはまた次回に。

 

さだまさしさんの奥様の出身地近く、島根県浜田市の漁港。

以前この町で開かれたさだまさしさんのコンサートに行ったことがあります。