先日のカウンセリングセッションのこと。
とっても嬉しいことがありました。
それは、クライアントさんが、
自分で自分のテーマに気づくサポートができたということです。
クライアントAさんのセッションは、
「職場の人間関係がうまくいかなくて、どうやって改善したら良いのか知りたい」
というテーマで始まった。しかし、そこから掘り下げていくと、
Aさんの中に、『自分は価値がない人間だ』という思いがあることが、見えてきた。
Aさんは、特別支援学級のサポートスタッフとして働いている。
Aさんが、持ってきてくれた分厚いファイルには
学級の子供達が、拙い文字で書いてくれた手紙や、写真が閉じられていて、
Aさんは、それを本当に嬉しそうに、見せてくれた。
そして、子供達の、純粋さに、ひたむきさに、
日々心を打たれているコトを、話してくれた。
その話を聞いて僕は、「Aさんがいるだけで、子供達は幸せです」と伝えた。
心から、そう思ったからだ。
すると、ふと、Aさんが、真面目な顔になった。
「自分が、養護学級という職場に出会った意味が、わかりました。
それは、「人間は、存在しているだけで、価値があるということ」を、
子供達を通じて、学ぶためだったんですね。」
そう口にして、何度も大きくうなずいた。
懸命に生きる子供達は、Aさん自身の姿だったのだ。
彼らは、「社会的」に見れば、何かができたり、器用だったりするわけではない。
けれど、そこに生きているだけで、価値がある・・・
Aさんは、子供の頃から、家族の中で一人だけ、浮いていたそうだ。
一人だけ、「できない子」。だけど、懸命に生きてきた。
それでも、結婚や子育て、人間関係で、いつも失敗してしまう。
だから、「自分にはやっぱり価値がない」・・・そう感じてきたのだ。
そんな半生と、目の前の現実が、結びつき
ありありと、自分の「テーマ」が見えてきた、
これはそんな体験だったのだろう。
Aさんは、この「気づき」を通じて、「ありのままの自分を、認めていくこと」の
実感を掴むことができたのではないか・・・
僕ができることは、少ないけれど、
そんな「気づき」のきっかけとして、機能していけたら
こんなに、幸せなことはないな~!