3歳のセンチメント | 須藤峻のブログ

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すどうしゅんによる、心の探究日誌。
生きることは不思議に満ちてる。自由に、自在に生きるための処方箋。

僕が2歳~3歳のころに読んでいた、絵本に
「ぼくのたんじょうび」という一冊がある。
知っている人いるかなー


調べたところ、1954年に世界三大絵本賞のひとつ「コールデコット賞」を
受賞しているらしい。けっこう名作だったのか・・・


さて、幼い須藤少年は、この本が大のお気に入りだった。
主人公は、白ネコの「ぼく」。
物語は、「ぼく」が生まれてからの2年間を描いている。


1年目、子猫の目を通して描かれる、心躍る鮮やかなセカイ。
はじめてセカイと出会う春、
夏は草むらでジャングルのライオンになり
秋は木の葉のネズミを追いかけて、
冬にはゆきのかけらを捕まえる。
そして、また春が来る。
もう一度めぐりくる、同じ季節。
でも、そのセカイは、既に色彩を変えているのだ。


「ぼくは いっさいに なりました
もう こねこ では ありません
ぼくは おおきな ねこです」


春は草花を愛で
夏は草むらで涼み
秋には屋根から枯れ葉を眺め
冬には部屋の中から、降りしきる雪を眺める・・・


僕は、幼いながら思い知った。
子供という時代は、いつか、必ず失われてしまうこと、
大人になれば、セカイは、今とは全く違うものとして、
自分の目の前に姿を現すだろうこと・・・

「これが、大人になるということなのか・・・」
きゅん・・・と痛む、心。

こうして、「ぼくのたんじょうび」は、
3歳児の胸に、しっかりと、「人生とはなんたるか」を
刻んでいったのであった。


それにしても、
僕のセンチメンタル好きは、
こんなところから萌芽があったのか・・・
人間、変わらないものよね。