令和5年度経営所得安定対策事業説明会 | 農業機械のブログ

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農業関係、農作業、その他日常の記録

表題のとおり開催された。

 

2時間もあった。

 

今回は、国の出先機関の役人たちがやってきた。それで冊子の内容を説明。

 

転作関係の話は、農協職員が行った。

 

問題の中心は、5年間水張りしない水田は、交付対象面積から除外することにある。

 

水張り規定

 

水張りについても、今回妙な言い方だった。ただ水を張って1か月間維持管理するというものがメインのように聞こえた?水稲作付しろ、ではなかったのかといえばその通りなのだが、なんか妙だ・・・・

 

交付対象外の水田に対する対策

 

これが政府のやろうとしている水田減らし事業の後ケアのような政策。

 

それが畑地化事業

 

これが今回、前年同様の単価だが、その推進目的で畑地化の単価を支払った後5年間2万か3万の交付金を続けるというもの。ーーーいわば、交付対象外の水田に確定した後、5年間の交付金のように支払を続けて、その後は、交付金がゼロ、という具合のようだった。

 

ここで注意点

 

要は、昨年同様と言うのは、今年限りの可能性を示唆するところにある。ーーー畑地化対策の単価が減る可能性も暗示することだ。

 

その裏は、農業者に今年限りの可能性があるから早めに畑地化するしかないなら畑地化しろ、みたいなプレッシャーをかけているようなもの。

 

今年限りの可能性は、財務省との予算折衝が不透明である点だけ。

 

畑地化した水田は、登記が何であれ、米を作ることは禁止はできないが、「好ましくない」と言うのだ。

 

つまり、実質、交付金対象水田面積を大幅に減少させるのが政府の目的と言うことになる。予算確保を理由にして。ーーーその裏が何かだ。

 

TPPなどの貿易関係では、農業に補助金と言う政策は、公正な貿易の阻害要因として位置づけられている。農業補助金は、貿易協定の妨げになりえる。

 

そこで岸田政府が農業予算の根幹をなす水田面積、つまり、交付金対象水田の絶対数を「5年間に1度は水張りを行う」規定を盛り込んで交付金対象水田の面積を大幅に削減しようとしていると考えれば、ぴたりとはまるだろう。

 

なんか薄汚い岸田内閣の本性みたいなものを感じ取れる。

 

水張りルール

 

これが今回の追加変更で目立った。

 

基本は、水稲作付で水張りと言うのは、水稲生産だから水張りは当然だ。

 

問題は追加の水張り規定。

 

◎連作障害による収量低下が発生していない

◎湛水管理を1か月以上行う

 

その二つを実行したら水張りしたものとみなすというのだ。

 

妙に引っかかるのが連作障害の発生の有無だが、転作が麦なら麦を作っていて収量低下がなければ、水張って1か月管理できれば、7月以降の水張りでもいいことになる。

 

本州ならいいが、北海道の道北なら、水張りできるのは、麦を作っている場合、播種前は無理だろうから収穫後だろうな。水稲農家も8月以降の水の使用は少なくなる。

 

漏水水田などの条件は、麦で大型トラクターなどで固めていれば、代掻きしなくていいなら、果たして水入れて湛水状態になるかどうか。

 

湛水状態は、水を張って維持している状態だから、漏水する水田だと果たしてその辺の行政のよる確認は、代掻き段取りと代掻きしないと、湛水状態は難しいだろう。

 

私のアスパラ圃場では無理なことだが、以下のような状態は、湛水にはならない。

アスパラ畝が出ているため湛水にはならない。

 

なぜなら、区画の全域の溝周囲に水をたたえることはできないから。可能なのは、畦間の1列程度。排水性がいいので。

 

水張りルールの悪だくみ

 

今回の水張りルールの追加規定は、ブロックローテーションのための「5年間に一度水を張る」と言う政府のちょろまかしを示している。

 

岸田政府が考えている悪だくみは、水田をコメと麦などの穀物とのブロックローテーションのために制度替えすることにある。

 

2022年から言い始めた5年間に一度の水張りルールと言うものは、その先ずっと5年間に一度の水張りを導入してその政策に賛同する水稲農家だけを選別し、交付対象水田面積を大幅に削減することでTPPなどの貿易協定の履行を目指すものである。

 

つまり、2027年からも5年間に一度の水張りルールと似たような政策を現行の水稲作付面積の割り当てに適用するのだろう。それは、水稲農家にも、もしかしたら水稲作付面積の割り当てがブロックローテーションのように組まれる可能性もあるということだ。

 

つまり、TPPなどのコメの輸入量は、2027年以降増えたなら、転作面積が現在のように増えないようにするには、交付対象水田を大幅に除外しなければ成り立たないということだ。

 

コメの輸入量がますます増えることを想定したら、日本のコメの作付面積は、その分減らさないと輸出国から突き上げを食らうことになる。

 

コメの作付面積を絶対に減らすには、交付対象水田を減らすことでやるわけである。

 

交付対象水田を減らせば、コメの作付面積の絶対数が減るからその後のコメと転作との関係は、こまごまとした作物を転作するものではなく、麦のような大規模面積で消化しやすくなる。

 

畑地化にかかる予算規模は途方もない規模

 

今回の説明会では、現時点の畑地化面積の集計を4月くらいに取りまとめて国に報告すると言っていた。

 

おそらく、畑地化にかかる予算規模を大まかに知るためだろう。

 

それに政府が考えている畑地化の必要面積は、現時点で政府が把握している面積よりは、ずっと少ないことがわかっているからだ。

 

そういうわけで水張りルールに追加条項を導入して除外面積を少しでも減らそうとしているようである。

 

なお、なぜ5年に一度の水張り規定で踏み絵のようなことを言い始めたかと言えば、「ブロックローテーション」と言う言葉が示している。

 

大規模にブロックローテーションが必要になるのは、TPPなどの貿易協定上の履行条件を容易にやりやすいからである。

 

それとも政府が連作障害とか考えてのことだと?・・・なんてことはない。

 

水張れない水田など除外して転作作物が大規模じゃないものは除外して、大規模転作をやりやすくするためでしかない。

 

やり方が薄汚いんだな。

 

なんだかんだと2時間・・・・質問会では、先が見えない政府の方針に不安がいっぱいで質問が出ていた。

 

とにかく、2年先、3年先、5年先が見通せないのだ。交付金対象外になる農家にとっては。

 

水稲農家には関係ない話だ。ーーー後々貿易がどうなるかで違ってくるだけのことだ。それは、10年20年先の話だ。

 

水田から野菜作付を排除するのだ、岸田と言う奴は。