「恐らく、お前がそれを知ったのはごく最近なんだ。他のやつらは下準備もバッチリだったのに、突然増やされるとボロが出てしまう。だから、最初からいなかったことにしたんだろ?」
たぶんだが、この世界の仲間は恐らくみんな敵でみんな人形だろう。
「他にも、おかしな点はあるぜ?」
『ま、まだあるの?』
「下手に小細工をしようとするから、バレるんだよ」
一枚の紙を真理に見せ付ける。
『契約書がどうかしたんですか?』
そう、俺が提示しているのは、さっきの契約書だ。変なものを作って、むやみに説得力を高めようとするからボロが出てしまうのだ。
「これも、嘘だよな?」
『そ、そんなことないですよ』
そんなことないはずがない。第一、この契約書のせいでたくさんのボロが出ているんだから。
「もうね、わざとじゃねぇのお前……?」
『な、何がですか?』
「何もかも、だよ……」
こいつ、もはや天然なんてレベルじゃねぇな。意識しても、ここまでにはならねなぇよ……。
「最初に言ったのは、『ビビを』倒した……だろ?」
『えぇ、そうですよ?』
「じゃあ、今言ったのは?」
『だから、『未羽が』いない……でしょ?同じ意味じゃないですか』
「いやまぁ、確かに同じなんだけどさ、それが分かってるのがおかしいんだぞ?」
『何でそれがおかし……あっ……!』
うん、ようやく気付いたようで何よりだ。
「それで、話を戻すけどさ、仲間になった未羽がいないってのはおかしいよな。普通、それを二週間も前に知ってたら、登場させないはずがない」
完全なリアリティを求めていたなら、いて当然なんだ。消したように見せかける必要はない。
「早い話、お前は今のが嘘だってことを自分から証明してるってことだ」
『そ、そんなことあるはずないじゃないですか』
「ほら、そういうのが駄目なんだって」
言葉だけじゃなく、反応でも情報ってのは収集出来るんだ。ましてや、ここまで露骨だと、逆にブラフなんじゃないかと疑いたくなるくらいだ。
「めんどくさいけど、ちゃんと説明してやんよ。じゃないと、納得するどころか深みにハマりそうだしな」
だんだん、見てるこっちが申し訳なくなってしまってきたからな。
「元々、数が少ないんだよな」
『みなさん、ちゃんと揃ってるじゃないですか』
「確かに、一見したら揃ってたように思えるけど、一人……未羽が足りないんだよな」
『だからそれは、最初に言ってるように……』