「簡単なことだ。お前がわざわざ示してくれたじゃねぇか」
『示し、た……?』
無言で、真理の周りに出来た水溜まりを指す。そう、これこそが違いだ。
『この『血』が、何だと言うんですか?』
「これは、『血』なんかじゃねぇよ。ただの『赤い液体』だ」
今までは、この『赤』に漠然とした違和感を覚えていた。状況からしてどう考えても『血』なのに、なぜか『赤』としか表現出来なかったのだ。だが、実際に見て確信した。これは、やっぱり『血』なんかじゃない。
「状況もそうだが、臭いや粘度まで忠実に再現されているのは分かる。けどな、細部に拘るあまり、大きな違いが出来てしまってるんだよ」
そう、どれもこれもそうだが、詰めが甘いというかどこか抜けてる部分があるんだよな。小さいことに拘るのは良いが、それで全体が見えなくなってしまっては、本末転倒だ。