「『デスティニー・レース』……運命のレースか」
『良い名前だろ?俺がすべて考えて作ったんだぜ?』
確かに、少々中二的ではあるが、実に俺好みの名前だ。それに、元々こういう場面を想定して作ったのだろうが、名が体を表している。俺にとってこれは、まさに運命のレースなのだから。
「いや、確かに案はお前だろうが、実際に作ったのは別のやつだろ?」
『何言ってんだ。俺に決まってんだろ』
俺は物語を創るのが好きで、ゲーム好きだった。となれば、ゲームを創ろうとするのは自然なことだろう。しかし、そのあまりにも膨大な作業量を考えて挫折したんだ。だから、一人で作ったはずはないと思うんだが。
「いや、少なくとも一人ぐらいは」
『だから、俺一人だっての。考えてもみろよ。お前のその右手に宿っている力はなんだ?』
俺の力……。『創造する右手』は、物語を書き換える力だと思っていた。しかし、前回は見るだけで留められたように、他にも応用が利く可能性もなくはない。いや、むしろ、書き換えることこそが応用なんじゃないのか?
「俺の右手は、書き換えることが目的ではない?」
『あぁ、そうだ。もっと根本的なものだよ』